3月末から39℃の発熱が持続し、咽頭痛があるという患者さんが来院されました。前医では「原因がわからない」と言われ抗生物質だけ処方されたが解熱しないとのことです。症状が出現してもう10日も経過しています。

 

診察では頸部のリンパ節がパンパンに腫れていました。喉の「溶連菌迅速検査」を実施しましたが陰性でした。血液検査では肝臓の酵素が上昇し「急性肝炎」の所見を認めます。追加の検査でB型肝炎、C型肝炎は陰性です。

 

さて、病気の鑑別ですが、

①    伝染性単核球症様症候群

②    菊池病

③    悪性リンパ腫

を考えました。

 

伝染性単核球症様症候群はEBウイルス、サイトメガロウイルス、B型肝炎ウイルス、トキソプラズマ、HIVなどの微生物の感染で発症する病気です。3-4週間ほどで自然軽快します。

 

菊池病は、正式名は「組織球性壊死性リンパ節炎」ですが原因不明の良性リンパ節疾患です。数か月で自然治癒するそうです。診断するためにはリンパ節生検が必要です。

 

悪性リンパ腫は血液の悪性腫瘍で、診断にはリンパ節生検や肝生検が必要となるでしょう。

基本的に自然に改善することはありません。

 

上記の病気を鑑別するにはリンパ節生検をするかどうか判断しなければいけません。本日再度血液検査を実施したところ肝酵素の数字が改善していることがわかりました。また、昨日から解熱傾向にあるとのことです。最も可能性が高いのはやはり「伝染性単核球症様症候群」だと思います。血液でのEBウイルス抗体検査で診断が確定すればリンパ節生検は避けられるかもしれません。