「何したんだよ…雅紀に…」翔の怒声が響く 「何って…見てわかんない?好きな人を手に入れようとした ただそれだけだよ」「酔って押しかけて無理やり自分のものにする?それが松潤…お前のやり方かよ 雅紀を傷つけたお前を 俺は許さない」「俺はただ…」松潤の言葉に怒りを抑えきれない翔の手が松潤に掴みかかろうでした時だった「もういいよ…翔ちゃん やめて…」静かに訴えるような雅紀の声が響く「もう帰って 松潤…帰れよ」その言葉に追われるように松潤は部屋を出る
「雅紀…雅紀大丈夫か?何でこんな」「ごめん…ごめんね翔ちゃん
もう 無理だよね こんな俺なんかもう愛せないでしょ 言っていいよ 許せないって 別れようって 俺大丈夫だから」必死に笑顔を作って翔を見つめる雅紀 その瞳は涙が浮かび 肩は震えていた「何言い出すんだよ雅紀 俺の気持ちに変わりはないよ 愛してる雅紀」「じゃあ 翔ちゃん俺を抱ける?たった今他の男に抱かれた俺を…無理でしょそんなの…」そっと雅紀を包み込むように抱き寄せながら翔は告げた「お前がそうしてほしいなら」翔は優しく唇に触れた「だけど今は…」雅紀の身体を背中から抱きしめる「お前の傷ついた身体をこれ以上痛めつける事は俺にはできない…こうやってお前の心が癒えるまでずっと温め続けるから 何があっても俺の思いは変わらない 愛してる雅紀…」翔の腕の中でそっと目を閉じる雅紀 伝えたい事を言葉にできないまま ただ翔の温もりに優しさに包まれていたかった
そのまま眠ってしまったのだろう 翔の腕に抱かれたまま 目を覚ました雅紀 「翔ちゃん…ありがとう だけど 俺どうしたらいい?本当にこのままでいいの?」昨夜手首を激しく掴まれた跡が雅紀を責める
「雅紀…何考えてる?あいつ…こんなに強くお前の事… 」翔は雅紀の手首の痣に唇をよせる 「こんなもの…俺が消してやる…雅紀 俺を見て」
「お前の心と身体の傷は俺がどんなに長くかかっても きっと直して見せるから 側にいて雅紀」「翔ちゃん…」言葉を失いただ頷く雅紀
思いを伝えるには それで十分だった
固く抱き合い 心を重ね合う
今の二人にはそれだけで 幸せだった
「大丈夫だよ…雅紀 俺がいるから」「ありがとう…翔ちゃん」