天然菌の発酵遺産の中でまだ完成していないのがチーズです。市販のチーズは純粋培養の乳酸菌や熟成菌を使って食品添加物の凝乳酵素で牛乳を固めて作っています。天然菌で無添加のチーズは市販されていません。

 

 手作りで凝乳酵素を使わず酢やレモン汁で固めたフレッシュチーズのカッテージチーズはありますが、パサついて食感はよくありません。フレッシュチーズはできても熟成チーズは難しいです。

 

 玉名牧場のグラスフェッドでノンホモで低温殺菌の牛乳であれば、酢を使った特殊な作り方でクリーミーなクリームチーズや固形チーズができました。固形チーズを熟成して天然菌の青カビのブルーチーズもできました。しかし、まだ温度と湿度の管理が不十分で出来上がりが安定していません。

 

 講座では、手作りクリームチーズと固形チーズのデモンストレーションと試食があります。ブルーチーズは当日の出来具合になります。

 

 チーズはその昔、子牛の胃袋を容器にして、牛乳を持ち運んでいたところ胃袋の中の牛乳がチーズになっていた、ことが起源だと言われています。

 

 ところが、この説には異論があります。子牛の胃袋でなくても植物には凝乳酵素を含んでいるものがあり、これでチーズが造れたのが起源だという説です。植物としてはイチジクの樹液、アーティチョークの雄しべ、柑橘類、ハーブなどです。

 

 調べてみるとポルトガルの酪農家では、イチジクの樹液でチーズを造っているところがあるようです。少量しかできないので、自家用だけでほとんど販売されていないようです。チーズの輸入業者に聞いても、日本に輸入されてはいないとのことです。

 

 玉名牧場の牛乳でイチジクの樹液を使ったフレッシュチーズはイチジクの香りは良かったのですが、熟成していくとえぐみを感じるようになりました。

 

 他の凝乳酵素を調べてみると、甘夏などの柑橘類の実の房に付いている白い筋に牛乳を凝乳して固める酵素があることが分かりました。甘夏の酵素で造ったフレッシュチーズを熟成すると、ほとんどえぐみは出ませんでした。しかし、甘夏の風味が強いチーズになりました。講座では玉名牧場の牛乳と市販の牛乳の違いやチーズの基礎知識をお伝えします。

 

 

■講師:三好基晴

■日時:2023年8月28日(月) 16:00~18:00 

■受講料:3500円(税込) ■定員:12名

■会場:みんなのSea-Side(Be-Side内 藤沢市鵠沼海岸5-13-29)

■申し込み: みんなのSea-Side  担当/飯野智子

電話:09073990738 メール:minnanoseaside117@gmail.com

 

※  終了後バーベキュー(3000円)を行います。ご希望の方は講座の申込時にお知らせください。