出産をいよいよ間近に迎えたある日。
本屋で破水
夫と一緒に本屋さんで少しの間立ち読みをしていて、尿意を催してトイレに行った時でした。
急に、パン、と何かが弾けたような音がして、股から水が、溢れ落ちました。
尿ではないのは明らかに分かったので、すぐに助産院に電話をしました。
ちょうどその日の前日に、妊婦検診に行ったばかりだったので、今の赤ちゃんの状況がどんな感じか、助産師さんもよく分かっているようでした。
「破水したね、大きなナプキンをつけて、そのまま過ごして。まだまだかかると思うから、お腹の下の方が痛くなってきたら、また電話してね。」と言われました。
そのまますぐにドラッグストアへ行って、最強クラスのナプキンを購入して装着し、家に帰る途中でしたが、何も食べていないことに気づいて、夫が帰り道にあるイタリアンレストランに連れて行ってくれました。
イタリアンレストランで最後の晩餐
「いよいよ、はじまる!その前に美味しいものを食べて、力をつけよう!!」と。
二人とも初めてなのに、いよいよその時が来た!と思うとなんだかテンションがあがり、この余裕(笑)
普段なら躊躇してしまうような高めのパスタから、ちょっと贅沢なティラミスなどのデザートも、食べたいもの全部頼んで、二人だけの最後の晩餐を楽しみました。
私も破水したあたりから、なにかよくわからないけどなんでも楽しい♪✨箸が転んだだけでも笑ってしまうような、可笑しくて可笑しくて仕方ない状態になっていました。
何かのホルモンが出て、そうなっていたのかなぁ・・・?
レストランの店員さんが、案内してくれる時に、「こちらへどうじょ」と、「ぞ」を「じょ」にちょこっと噛んだだけでも笑ってしまって堪えるのが大変でした。
陣痛が始まり、産院へ。ワンコもオロオロ
それから家に帰って(家といっても当時二人で管理していた山小屋なんですけど)、眠る身支度を整え、さあ、寝よう。と
横になって寝ていると、急にお腹の下の方に、経験したことのないようなドーン(ビリビリ、も少し)という鈍痛が襲ってきました。
あ、これは、もしかして、陣痛かな?と思って様子を見ていると、次の時にはもう15分くらいでまた陣痛がきました。
早い。10分間隔になったら来て、と言われていたのに、いきなり15分間隔。
すぐに助産院に電話をしたら、「オッケー、きたね。じゃあ気をつけてきて」と言われて、即荷物を持って、山小屋に一人で残していくわけにはいかない当時飼っていたワンコも連れて、車に乗り込みました。
道中、1時間半くらいかかるのですが、その間に車の揺れも相まって、座っていられないほどに陣痛が強く来て、
私はもう陣痛の波が来るたびに、「うう〜!!」
「痛いーー!!」「ふう〜!!」「きゃあーーー!!」と叫びながら車の窓の上についているアシストグリップを握りながら体をよじって身悶えていました。
後部座席にいたワンコも、心配してオロオロオロオロしだし、運転席と助手席の間へ出てきてしまう始末。
「がんばれ!」「あと○○分でつく!!」と最初声を出して応援していた夫も、もう後半とにかくかける言葉がないのか、運転に集中しないとやばいと思ったのか、何も喋らなくなりました。でもすごく、焦っていると言うか集中していると言うか運転している、と言うのがうっすらとしか分からないほどに、私は痛みに必死で耐えていました。
途中で夫が道を間違えたんじゃないか、と疑ってしまうほどに、長く感じた陣痛道中は終わり、とうとう出産場所である「ゆりかご助産院」につきました。
冬の寒い夜中、二人の助産師さんが、部屋をあたためて待っていてくださり、私を支えて部屋に連れて行ってくれ、床の上に敷かれた布団の上に寝かせてくれました。
「子宮口、○センチ、赤ちゃんの頭、もう見えてる。早いね!」
それから、夫の立ち会いの元に、横になったり、四つん這いになったり、クッションにもたれかかったりといろいろ試して、産みやすい体勢を探しました。
その間もなんだか、天井はキラキラ✨して見えました。
部屋も体もものすごく熱く、すごいエネルギーが自分から出ているのを感じました。
つづく