Hit the floor 15 | Blue in Blue fu-minのブログ〈☆嵐&大宮小説☆〉

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嵐、特に大野さんに溺れています。
「空へ、望む未来へ」は5人に演じて欲しいなと思って作った絆がテーマのストーリーです。
他に、BL、妄想、ファンタジー、色々あります(大宮メイン♡)
よろしかったらお寄りください☆



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赤い絨毯敷き階段の最後の一段。


このフロアを横切れば、外へ繋がるドアにたどり着く。

視線の先にそのドアを捉えて歩き出せば、


「おいっ! そこのコック!」


・・・またかよ・・・。


振り向けば、短髪で目の鋭い、多分、刑事がガニ股歩きで寄って来る。


「さっさと決められた部屋に行け!うろうろしてっと、とっ掴まえるぞ!」



・・・なにコイツ、ガラ悪ぃな。


「すみませ~ん、さっき、銃声みたいな音がして~、怖くて怖くてつい、飛び出してしまいましたぁ」


不信感丸出しのおれと違って、怯えたオネェ声の松本。

変幻自在だな。さすが名探偵。


「ああ、悪かったな。あれは空砲だ」


打ったのは俺ぇ~、と右手にかざしたのは、1丁の銃。


「でもさっさと行かねぇと、実弾喰らわすぞ」


と、銃口をおれらに向ける。


「「「・・・・・・!!!」」」


ササッと、おれの背後に隠れる二人。


「わわわわ!!押すなって!」


「長瀬さんっつ!!」


あ、相葉ちゃ~んあせる


「もう、何やってんすか。民間人に銃向けるなんてっ!」


サッと両手を広げて銃口の前に立ち塞がり、おれらを背中に隠してくれた。


「ばぁか、弾なんか入ってねぇよ。それより、お前探してたんだぞっ!キー寄越せよ。ドア、開いてねぇとこがあんだよ」

「ああ、はいはい」


背中に回した相葉ちゃんの手に、松本がカードキーをそっと戻す。


「はい、どーぞ。俺、この人たちが部屋に戻るのを確認してから合流しますんで」

「おぅ! さっさと戻って来いよ。そろそろ尋問始まっからよ」

「分かりました。さ、行きましょ」


今上がってきた階段を、もう一度降りる。

全員の姿が壁に隠れたところで、相葉ちゃんがここで待っててのジェスチャー。

頷いて体勢を低くする。


「オッケー」


ヒラヒラ手で呼ばれて、タタタッと階段を駆け上る。

そのまま一気にスカイデッキのドアまで走った。


もうさ、どうか、頼むから、これ以上誰も邪魔すんなよ。


「相葉ちゃん、早く開けてよ。もーおれ、クッタクタだよ」

「あんた、こんだけ動いたの、久しぶりだろ」

「疲労困憊ってヤツだな。あー、早くカズに触りてぇ…」

「あのー、一体あなたたちって…」


「ほら、開いた。行って!」


相葉ちゃんがドアを押さえて早くって促す。

冷たい海風がびゅうっと吹いて、熱い頬を心地よく冷やす。


外に踏み出せば、ちょっと前とは大違い。ライトが明々と点いて、まるで星空になったような海をバックに、おれらのヘリがくっきりと浮かび上がってる。




中で待つカズの姿も、うっすら見えてる。


「カズッ!」


もう、一気にわーーってなって、狭い階段を一気に駆け下りた。

ドアを開け、身を乗り出すカズ。


ニヤニヤ、顔が緩むのは、仕方ない。

叫んじまいそうなのも、足がもつれそうなのもしょうがない。


「おっさん、コケるなよっ!」


口の悪い松本なんか、放っとけ!


精一杯に腕を伸ばしあって、ようやく触れた指先、そして、腕、肩、背中へと手を滑らせる。


触れ合う唇…


カズ、カズ…


サトシ…



「翔さん、お待たせ!」


「松本、後ろ、…誰か、来る?」


「え? うわ、さっきのヤツらだ」


「智くん、早く乗って!」


「くそっ、金、取り返しに来やがったな」


「俺がくい止めとくから、早く飛んで」


「待てー、止まれ、撃つぞっ!」


「うわ、長瀬さんまで!」


パン、パパン!


「うわーーーーっ!」


「翔さん、声でかっ」



いくら空砲だからってさ、あんなやたらに…。


ほら、追っかけてきた奴、ビックリして階段落ちたよ。


ま、助かったけど。







― AM 0:05 11/26 ―



見下ろせば、まるで、光の海。




巡視船のサーチライトが、こんなちっぽけなヘリ一機に、集中砲火の如く向けられてる。


だんだん小さくなる相葉ちゃん。


電話で、なんか必死な形相でしゃべりながらおれらにブンブン手を振ってる。


…横に立ってる翔くん。




そんな情けない顔しないで。


ごめん、一般人4人って、相葉ちゃん報告しちゃってたからさ、


どうしても一人残んなきゃ、ほら、すぐそばのヘリから気の短い松岡って人がこっち見てんだって。


ふふっ、相葉ちゃん、狙撃だけは勘弁ね。


…翔くん、拘束されちゃうよね。


でも、平気だよ。


優しい相葉ちゃんがきっと助けてくれっから。


あ、いっそのこと、そのまま相葉ちゃんに逮捕されちゃえば? 終身刑ってことで… なんつって。




ヘリは光の渦を抜けて、高く高く昇ってく。





巨大な船も、あっという間にちっぽけな点になった。



ようやく傍にいられるってのに、いつまでも窓の外を気にしてるカズ。



後ろからギュッと抱きしめる。



カズ


ん?


もう、外なんか気にすんな。


でも、翔さんが…


大丈夫だって。恋人の相葉ちゃんが守ってくれっから。


あの二人?そうなんだ…。


それよりさ、おれ、今日誕生日なんだぜ?


…11月26日?


そっ! 去年も今年もプレゼントはカズ。


ふふ、そっか。


来年も、その次もずっとな。


いいの?オレなんかで。


お前がいいの。


どうしてオレ?


わかんね。でも、おれにはきっとお前なんだ。


だから、どうしてさ。


う~ん、『勘』。



…最強だな、それ。



ふへへ…


ね、どこ行くのさ?


一年前の約束、果たしに。



覚えてねーの?

何だっけ。


お前の行ったことない場所。


そんなの、沢山ありすぎて分かんない。


…おしっ! Another world   二人で一個ずつ、つぶしてこうぜ。



…うん、分かった。

















おしまい…ではありません。あと1話つづきます。ごめんなさい(;^_^A


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