Jewelry night -ここから始まる物語- ⑥  | Blue in Blue fu-minのブログ〈☆嵐&大宮小説☆〉

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嵐、特に大野さんに溺れています。
「空へ、望む未来へ」は5人に演じて欲しいなと思って作った絆がテーマのストーリーです。
他に、BL、妄想、ファンタジー、色々あります(大宮メイン♡)
よろしかったらお寄りください☆


― 遥か 遠い昔 砂漠で (satoshi & nino) ―



浅い眠りから目が覚めた。

吹き荒れていた砂嵐も治まったようだ。馬車の外は静まり返っている。

そのまま、少しの間動かずに、辺りの気配を窺う。

夜明け前の薄闇の中、砂の上に流れている朝靄を乱す者は、ないようだ。

私は、静かにカラダを起こした。


「サトシ、起きたの?」

隣で寝ていたニノが寝ぼけた声でつぶやいた。

「まだ、休んでいても大丈夫ですよ」

「う…ん、やっぱ、ちょっと疲れたね」

「嵐も通り過ぎたようですし、出立しましょうか」

「もう少し、こうしていよう…」

「でも、あまり遅くなると、母が心配します」

「お願い、もう少しだけ…」


と、白い腕をさしのばす。


「二人で遠出するなんて、滅多にないんだから、ね?お願い」

「でも…」

「これは、命令。僕の言うことは絶対なんでしょ?」

「しかし…」

「あ、逆らうんだ。そっか、サトシってそういうヤツなんだ。口では、僕のためなら、いつでも、この身を捧げますなんて言ってるくせに、こんなささやかな命令にも従わないんだ」

「ニノ様、そういうわけでは…」

「ほらまた! 二人でいるときは、そんな呼び方しないでって言ってるよね?」

「…ニノ」

「…ね? キテ」

「…少しだけ、ですよ?」


結局、その白い腕に私の理性は絡め取られた。

薄く開いた唇にそっと触れると、ピンク色の舌がぺろりと指を舐めあげた。

そのままくわえて ちゅ っと 音を立てて、色を含んだ目でゆっくりと見上げる。

指に絡む柔らかくてあたたかい、しっとりとした感触。


たった、それだけのしぐさで、私はもう、欲 情 している。


「悪いひとだ…」


うふふふ…

密やかな笑い声が耳をくすぐる。

こんなニノを前にして、何もしないでいられるはずがない。


私は、細いうなじを救い上げると、その唇を自分の唇で塞いだ。

上半身を強く抱きしめる。

ニノの左手が背中を滑り、前にまわって早くも昂ぶり始めている場所に手を伸ばす。


「だめって言ってたくせに ココ は言うこと聞かないんだね」

「聞き分けのないのは、ニノ様と同じです」

「ニノって呼んで…」


ニノは妖しくほほ笑むと 私 をきゅっと包み込んだ。


あっ…


「夜が明けちゃうよ? 早く シ よ」


「お望みのままに…」




争いの絶えないこの時代、少しでも自国の領土を広げようとする、終わることない隣国同士の争い。

それは、一つの国の中に於いても様々な争いを生む。

王家に生まれた者は、位が高ければ高いほど、謀殺の対象となる。


ニノの母親のエトリア国女王は、愛するわが子を守るために、幼いニノを手放した。

信頼できる家来に託し、城から遠く離れた、国中でも誰も知らないような小さな村に隠した。


現在の王である、わが夫が亡くなり、ニノが王位を継ぐまでその存在を隠し通す覚悟で。


国のはずれの辺鄙な村で、ニノは女の子としてその身分を隠し、代々王家に仕えていた、私たち一家と家族として暮らしていた。


私たちは幼いころからずっと兄妹として育った。

幼いころは何も考えず、ほんとうの妹だと思っていた。


ある日、10歳になったころ、父に呼ばれ、私は真実を知った。


「おまえは、王子を守るために生きている。よいか、何があってもニノ王子を守るのだ。たとえ、刃の前にその身を晒すこととなってもだ」


代々王家に仕えてきた私の一族。その忠誠心は、赤い血となり爪の先、髪の一本一本にまで流れている。父に言われなくともその使命は十分に心得ていた。


そのころにはすでに、ニノに恋心を抱いていた自分自身を認識し、戸惑っていた私にとって、実は、血の繋がりなどないということがわかって、秘かに安堵した。




「なに、考えてるの?」

「いえ、別に」

「うそ、なんか、顔がやらしいよ」

「そんなことは、ありません」


カラダを起こし、服を整える。


「もう、おしまい?」

「はい、すっかり夜が明けてしまいました。さ、起きてください」

「…やだ」

「また、そんな聞き分けのない…」

「だってさ、久しぶりだったんだよ。もっと…」

「ニノ様、あなたにはもっと自覚していただきたい。17といえば、もう大人です。王家の方々には、15で妻を娶られる方もおられます」


「じゃあさ、サトシは、僕がさっさと結婚して子供でも作ればいいって思ってるの?」


沈黙が流れる。行き場のない、先の見えない二人の……


「…出立します」


重い空気から逃れるように外に出て御者台に座る。

十分に休息をとった2頭の馬は、ようやく走ることができるのが嬉しいらしく、

白み始めた空に、ひと声大きくいなないた。


地平線に姿を現した朝日に向かい手綱を引く。



明日は、どうなる?

いや、明日はあるのか?


愛しい人の肌の名残りに疼く胸を無理やり抑え、私は一心に馬を走らせた。























つづく…。




過去のお話ですが、画像はバリバリ現代です

イメージは「成瀬期の大野さん」と、「今よりちょっと若い二宮さん(←だって、あんまり変わんないし…)」


サハラあたりの民族衣装って綺麗なブルーで素敵なの。

合成して大野さんに着せられたらいいんだけど、そんな技術は私にはありません(T_T)。

皆さん、妄想してっ!!