お久しぶりです。

タイトルに書きました通り、僕は胃がんを罹患しました。早期の胃がんでステージは1。先月入院し、胃を3分の2切除する手術を受け、そこから体も生活も一変してしまいました。



胃がんが判明したのは、去年受けた会社の健康診断です。僕が勤めている職場は、去年から20代以降の人間はバリウム検査を含めた本格的な健康診断を受けさせられることになったのです。(それまでは検診車が来て簡単な健康診断しかしていなかった)そのバリウム検査で胃潰瘍か、最悪ガンかもしれないから早めに内視鏡検査を受けるように言われたのです。



健康診断の結果が届いてからすぐに近くのクリニックを予約。最初はその結果を見ながらの問診。次に内視鏡検査の予約をして、後日にようやく内視鏡検査を受けました。受けたもののすぐに診断は出ず、病理検査に出しますからと言われ、二週間待つことに。



二週間待っての診断は、「胃がん」でした。それも内視鏡ではもう取れない大きさだったため、大きい病院へ行き、手術を検討するように言われ、紹介状を受け取って帰宅。



翌週に大きい病院へ行って診断を受けた結果、「早期の胃がん」とやっぱり言われ、入院手術が必要だと言われたのです。ここまでの大きさになると、胃を3分の2切除することになりますと。そうなるとこれまでのような食事量が取れなくなることや、筋肉が落ちて体重が減り、体力が激減してしまうこと、職場復帰しても大変な苦労をするようになることなどを説明されました。僕の仕事は力仕事なので、諦めろとまでは言いませんが、本当に大変な苦労をすると強く言われました。その時はまだガンガンご飯を食べ、仕事をしていたためにピンとこなかったのですが、退院してからその言葉が重くのし掛かることになるとは思いもしませんでしたね。

何の自覚症状もなかったので、自分の知らないところで病魔は静かに忍び寄るものなのだということを痛感しました。



入院して手術を受けたあとがもう地獄の始まりでした。手術したところの傷口がもう痛くて痛くて…。少しでも体を動かそうものなら、激痛が走るのです。なのに看護師やリハビリの先生は歩くように言い、手術の翌日から離床させられるのです。血栓の予防と腸の癒着を防ぐためなのでしょうが、これがもう本っ当にキツかったです。体を起こすのも一苦労で、立った瞬間フラフラして歩くどころか立ち上がるだけで精一杯だったからです。それだけ大きな手術をして体に負担をかけ、体力を消耗し、点滴では体力は回復しないのだなぁと思いました。術後4日くらいは食事が禁止だったため、ここから筋肉が落ち、体重が減少していったと思われます。



食事の再開は重湯から。


もう水分ばっかりです。こんなに水分ばっかり取れないので、牛乳とお茶はごめんなさいしました。ちなみにメニューは、重湯、具なしみそ汁、牛乳、お茶です。



食事前に紙を渡されてダンピング症候群の説明を受けていたために、物を口にするのは恐怖でした。重湯といえど、チビチビ舐めるようにして口にしていきましたね。だから牛乳を避けたというのもごめんなさいした理由の一つです。



翌日からは三分粥になりました。


メニューは三分粥、具なしみそ汁、牛乳、お茶、白菜の煮浸し、、卵豆腐、桃缶の桃を柔らかくしたやつ。


相変わらずの水分ばかりのメニューですが、三分粥になると固形物が出てきます。ペースト状になっているものがほとんどではありますが。ダンピングの恐怖から、必要以上に噛んで噛んで噛んで飲み込んでいました。ちょっとビビりすぎですよね。で、やっぱりお茶と牛乳はごめんなさいしました。


食事をする際に水分を取ってはいけないと直接注意され、さらには渡された紙にも注意書きがされているのに、何故に水分ばかりの食事になるのか、ちょっと疑問なのですよね。これ、下手したらダンピングを引き起こしかねないと思うのですが…。あと思ったのは、みそ汁やスープは意外と危険だよなということです。先に食べてしまうとそれだけでお腹いっぱいになってしまい、そこで食事が終わってしまいますし、最後に食べて汁を飲んだらダンピングになる可能性が高まりますし。食べ方次第だとは思うのですが、危険だよなとは思います。だから僕は具だけを食べて汁は残す方向でいきました。今もみそ汁やスープは食べないようにしています。慎重になりすぎですかね?


食事の間にカロリーと栄養補給のために間食がありました。ヤクルトやミルミルなどの飲料が配られることが多かったです。おいしく頂いたものの、あの強い甘さがキツかったです。甘いものを食べるとお腹にずっしりときますよね?あれがあの小さいヤクルトで襲いかかってくるのですよ。満腹感や膨満感が凄まじくて、すっごくキツかった。でも、体のためには飲まなきゃいけないので、頑張りましたよ。ヤクルト何て術前は何てことなかったのに、術後は強敵になりました。(ミルミルも)


さらに翌日は五分粥に。

メニューは五分粥、じゃがいものみそ汁、マロニーの卵とじ、たいみそ、キャベツの煮浸し、牛乳、お茶です。やっぱりお茶と牛乳はごめんなさいしました。で、五分粥になるとみそ汁に具が入るようになりました。先ほども書いたように、具だけを食べて汁はごめんなさいしました。そして固形物も歯ごたえのあるものになっていきます。少量ずつ、よく噛み、ゆっくりと時間をかけて食べる。これが胃がんの食事の基本であり、大原則です。


さらに翌日からは全粥になります。

メニューは全粥、キャベツのみそ汁、はんぺんのくず煮、冬瓜の煮浸し、牛乳、お茶です。はんぺんがおいしかったんですよね~!術前の体の状態だったら、ご飯がバクバク進んでいましたよ。それくらいおいしかったです!んで、みそ汁の汁、お茶と牛乳はごめんなさいしました。


お粥を含めた柔らかくて食べやすいものもダンピングを引き起こしやすいかもなと思ったり。よく噛まなくても飲み込みやすい分、なかなか危険だなと思います。僕は慎重派ですっかりビビりになっているので、どんなに食べやすくても、噛む必要性がなくても、大原則は破らずにいきます。


僕が小胃症状で最も苦しんだ食事がこちらです。退院前日に出た昼食です。

メニューは煮込みうどん、豆腐のそぼろ煮、大根の煮浸し、りんご缶、お茶です。


うどんは多いように見えますが、器が大きいだけで量はとても少ないのです。しかし、手術をして胃が小さくなり、胃の機能が大きく低下している僕にはこの食事量は多く、深夜まで苦しむことになったのです。なので、夕食は全く手をつけられませんでした。


退院前日にまさかの小胃症状。地獄でした。まぁ、これのおかげで自分の胃の容量がわかったので、今となってはヨシとしておきます。ただ、今月の13日で術後1ヶ月なのですが、食事量が増えない、増やせない原因となっているため、かなりのトラウマになってしまっていますね。だから体重が落ちるばかりで体力が全く回復していきません。フラつきはなくなってきましたが。少し動くと息切れをする始末です。こりゃ相当時間がかかるなと感じています。筋力の回復何てほど遠いですね。まだ筋トレも運動(ウォーキングのみ可)も力仕事も許されていないから当然なのですが。自分で言うのも何ですが、ガッシリした良い体をしていたのですよ。長い年月、鍛練を積み重ねて作り上げた肉体だったのですよ。それなのに失われるのは一瞬という…。今や体は術前のみる影もなく、骨は浮き、ガリガリになってしまいました。その突きつけられる現実がとてもとてもショックでした。思うように動けない、力は出ない、ちょっとした重たい物さえ持てなかったり、持ててもすぐに息切れしてヨロヨロしたり、今まで普通に食べられていたものが食べられなくなったり、食べたくても食べられない…。体も生活も一変してしまったことをとにかく痛感しております。


好きなものを食べられる。好きなだけ食べられる。何でも食べられる。これがどれだけ幸せなことか。


胃がんになると、特に外科手術までいってしまうと本当に大変です。ある程度期間が過ぎれば食べられるようになるでしょうが、術前と同じ状態にはきっと戻れません。体つきも。その中で、自分がおいしく、楽しめる食事というのを見つけないといけません。これも闘病の一つだと思っています。焦るなと言われますが、僕だけがヘロヘロになりながら違う仕事をしていると焦りが募ります。早く体力や筋力を戻さなきゃ!と。でも、今でも食欲は沸かず、ちょっとしか食べられません。術前の自分が、あれだけガンガン仕事していたことが遠い昔のようです。


皆様、どうか年に一回は内視鏡検査を受けましょう。バリウムよりも内視鏡の方が早期発見しやすいからです。胃粘膜の凹凸や形状、色の変化が確認できること、小さな病変も発見できること、胃がんだけでなく、食道がんが発見しやすいなどが理由として挙げられます。バリウムで発見される頃には僕と同じ道を歩むことになりかねません。内視鏡で取れる大きさであれば、僕のように食事に制限はかからず、苦労や苦痛、リスクを生涯背負わずに済みます。


もう一度書きます。


自分の知らないところで、病魔は静かに忍び寄ります。自覚症状が出てからでは遅いのです。年齢が若くても、今の時代関係ありません。早期発見が一番の近道です。今は鎮静剤で受けられますから、皆様、どうか内視鏡検査を受けるようにしてくださいね。




入院は10日。術後4日もすると傷口の痛みが少しずつ和らいできます。個人差はありますが、3日目までがピークでした。それからは少しずつ痛みはあっても立ったり歩けるようになります。術後1ヶ月経ちますが、まだ完全に痛みはなくなってはいません。咳やくしゃみをすると悶絶とはいかないまでも、かなり痛いです。大きい手術を受けたわけですから、最低でも3ヶ月は力仕事や運動はできません。仕事、できるんだろうか?不安はつきませんが、こればかりは体の回復を待つしかありませんし、出来ることをやっていくしかありません。他への転移はなく、早期だったために抗がん剤の服用はないことには一安心です。まだまだ闘病は続きますので、これからも記録として残していこうと思います。


更新できない間も訪問してくださり、どうもありがとうございます。これからも宜しくお願いします。