ユウナ解説です。


アスラン、カガリ、ユウナ。この3人のことは検索ワードでもとても多く、また、人からもよく聞かれます。ここを理解できているかどうかでDestinyの見方は大きく変わるので、しっかり解説していきます。まずは、ユウナとカガリの婚約関係についてです。



ー「罠」の始まりー


Destinyになっていきなり現れた婚約者、ユウナ。カガリと何故婚約関係になっているのか、作中でその説明はほとんどされません。しかし、考えられる余地は十分にあります。


SEEDの段階で、二人は婚約者にもなっていなかったのは間違いありません。もしそうなっていたらSEEDに出てきますし、ウズミ様は一人になってしまうカガリをキラではなく、ユウナに託したはずです。それに、そういう相手がいるならちゃんとカガリや侍女のマーナさんに伝えているはずです。が、カガリやマーナさんは全く知りませんでした。いきなり知らされ、それがまるで既に決まっていることであるかのように話しは進められていきます。持ちかけられた可能性はあってもウズミ様の性格上認めるわけがないこと、カガリの乗り気ではない様子、ユウナ(親子)の本性と好き勝手やっている様子から考えられる答えは、「既成事実を作った」です。


ウズミ様が亡くなっているため確かめようがありませんし、この時のカガリの立場の弱さや、まだ未熟な自分を助けてくれているユウナ親子に対する感謝(これも罠)もあって無下にすることはできず、認めざるを得ないということがわかるため、「既成事実を作った」と見るのが自然です。そして、それを口実にカガリに近づくことができますし、カガリを手にするにはそれが一番近道なやり方なため、その可能性は非常に高いと言えます。


それが「罠」の始まりだとも気づくことなく…。


全ては、カガリを手にするためです。でも、カガリに好意は少しも抱いていません。それもポイントです。



ー何も言えないカガリー


「何でカガリはユウナに何も言えないの?触るな、やめろくらい言えないの?」

これ、よくされる質問です。友人のYくんにも聞かれたことがあります。


カガリがユウナに強く言えない、無下にできないのは、ユウナ(たち)に世話になっているからです。まだまだ未熟な自分を助けてくれている、助けられている、面倒を見てくれているという恩や罪悪感があるため、強く言えないのです。


つまり、彼らの協力なくば自分はやっていけないということです。そういう「恩」があるからカガリは強く言えないし、無下にできないのです。また、カガリは素直な人なので、そう思い込まされてしまい、無力化されていくのです。


その「恩」こそがユウナの「罠」なのですが、それを見抜くのは困難なものがあります。親切な裏に本性を隠しているからです。


既成事実を作ったことが既に罠の始まりなのですが、こうやってカガリに親切なフリをして恩を売ることでカガリが逆らえない、何も言えない状態にし、弱みを握るわけです。その親切が実は「罠という名の種」であり、そうすることで罪悪感を植えつけ、上下関係(主従関係)を築くのです。


最初の親切で相手を縛り、恩を着せて弱みを握り、支配し、自分に逆らえない、自分の言うことを聞くようにして主従関係を築く。自分たちの協力なくばやっていけないというカガリの劣等感につけこみ、洗脳していく。これが、ユウナという男であり、カガリとの関係性です。だから、恋愛、好意などではないのです。作中でも言っちゃってますしね。それを悟らせないようにするために親切なフリをし、カガリに信用
させて「良い人たちだ」と刷り込んでいくのです。実際、カガリに疑っている様子はありません。無理もありません。誰だって、まさか自分を支配下に置き、隷属させるための準備期間だ何て思うわけがないのですから。


アスランとカガリは立場はカガリが上ですが、力はアスランが上です。それは、第5話で描かれています。「いい加減にしろ!カガリ!」とアスランがカガリを叱りつける、あの場面です。国の代表と護衛。その護衛が立場は上の国の代表を呼び捨てにして叱りつける。二人は表向きの関係とは違うよ、という。しかし、アスランとカガリ、二人の間に上下関係はなく、ましてや主従関係などではないことは誰もがわかることです。別にアスランはカガリを支配下に置こうとしていませんし、逆らえないようにしようともしていませんから。アスランとユウナは所々で対比されているので、そこも重要です。



ーアスランは排除の対象ー


ユウナにとって、アスランは厄介な邪魔者です。それ以外の何ものでもありません。


当然です。


ユウナはカガリを自分だけに依存させて支配下に置き、隷属させたいからです。アスランがそばにいると、それは不可能なのです。カガリはアスランに好意を寄せており、ユウナに頼る、ましてや依存何てするわけがないからです。カガリが頼る相手も精神的な逃げ場もアスランであるため、ユウナとしてはアスランは厄介な邪魔者でしかないのです。


カガリを自分だけに依存させて支配下に置くためには、アスランを排除しなければなりません。


その邪魔者アスランがオーブから出ていくようにするために、ユウナはアスランの立場のなさを強調したり、人前で貶めたりするのです。護衛以外に何もさせず、誰も相手にしないのもそのためです。


ユウナはこうやって排除して引き離し、カガリを孤立させ、頼れるのはユウナだけと依存させる状況を作っていくのです。


残念ながら、アスランはユウナの本性に気付けませんでした。


気付けなかったのは無理もありません。ユウナが悟らせないようにしていたのですから。カガリを含む、周囲の人間に悟らせないように本性を隠す。そのためにカガリにベタベタしたり、アスラン(人前)の前でカガリを抱きしめたりするのです。

まるで自分がカガリに好意があるように思わせ、印象づけるわけです。最初の親切もそうです。一番は、カガリを油断させる。信用させる。刷り込む。周囲の人間に本性や目的を悟らせないように演じる。それは準備期間であり、巧妙な「罠」なのです。


アスランからすれば自分に対する嫌がらせ、見せつけ、厄介者、邪魔者扱いです。しかし、実際はカガリを孤立させて自分だけに依存させて支配下に置き、隷属させることが目的という思惑があったのです。そんなユウナの本性を隠す演技に騙され、また、耐えられなくなり、アスランはプラントへ行ってしまいました。


邪魔者であるアスランを排除したあと、ついにユウナは本性を現します。



続きます。