非常に狭い世界でのベスト5になりますが、本日も書いて参ります。



人からよく言われるベスト5、SEED編。



第3位「カガリはキラに想いを寄せている」


恋愛的な意味で、カガリはキラが好き。想いを寄せていたキラが実はキョウダイで、それを知ったカガリ大ショック。カガリが想いを寄せているのにキラは鈍くてそれに気付かない、カガリ哀れ。カガリはキラに心引かれている…などなど、恋愛的な意味でカガリはキラが好きと思っている、言ってくる人の何と多いことか。


カガリがキラとアスランに対して抱いている感情の違いは、ちゃんと観ていればわかることです。それは作中だけでなく、オープニングにも描かれています。以前にも記事にしているのですが、あまりにも言われることが多いので、その違いをしっかり解説していきます。




ーオープニングー


第三期のオープニングをみてみましょう。


横スクロールでキラとアスランが登場するのですが、その後ろにカガリも登場します。


まず、キラです。

ジャケットにカーゴパンツ、ランチャーを担いでおり、およそ女の子とは思えないボーイッシュな格好です。これは「キラを男として見ていない」、「異性を意識していない」ことの表れで、これは一人の女の子としてではなく、人として、戦友やキョウダイとしての好意や、親愛を向けていると言えます。


では、アスランに対してはどうでしょうか?


アスランが登場すると同時に、カガリはクルッと回転して…正に男っぽい格好から一転して服装からヘアスタイル、表情、仕草が全て女の子に変わります。

カガリには大変失礼になりますが、全てにおいて女の子です。キラの時とは大違いです。これはカガリが一人の女の子として「アスランを異性として見ている」、「アスランを異性として意識している」ことの表れと言えます。


キラとアスランに抱く感情の違いは、こうしてオープニングでしっかり描かれています。では、作中でのシーンから違いをみていきましょう。まずはキラとカガリのことから。




ーカガリが抱いたキラの印象ー


キラとカガリの出会いは第1話です。


ヘリオポリスが襲撃され、キラたちは避難しようとしますが、カガリは確かめたいことがあるため、彼らから離れていきます。キラはカガリを追いかけて避難させようとしますが、避難ルートは崩壊した瓦礫によって閉ざされてしまいます。キラの誘導で何とかシェルターまでたどり着きますが、シェルターはもう満員でした。ここでキラはカガリが女の子であるため、避難を優先させます。自分が向こうのシェルターに行くからと。

カガリは、キラによって救われたのです。ここでのカガリがキラに抱いた第一印象は、「自己犠牲の精神を持つ頼りになる男」です。非常時にこっちだと誘導し、引っ張ってくれ、大丈夫だからと声をかけてくれて、なおかつ自分よりも他人を優先して避難させたキラは、人としてとても好ましい人物であるとカガリは思ったのです。自分の身を危険におかしても人を助ける。これはラクスの時と同じです。しかも、女の子を助けて優先しているわけですから、好きになってもおかしくありません。


しかし、カガリは恋愛的な意味でキラを男として見ることや、好意を抱くことはありませんでした。



ー二人の再会ー


キラとカガリが再会するのは、第17話です。


カガリはレジスタンスにいて、ストライクを助けます。ここで二人は再会します。


カガリは、あのあとキラはどうなったか気にしていました。心配していました。感謝の気持ちを伝えたいと思っていました。なのに、キラは自身が嫌悪しているストライクから降りてきました。怒り、安堵、戸惑い、嫌悪など、色んな感情が湧いて混乱し、手が出てしまいます。

避難した先で再会する、偶然どこかの街で再会するとか、そういう再会であったら、カガリはキラを好きになっていた可能性は大いにありました。抱いた印象が良かったわけですから。


が、こういう特殊な状況下での再会になってしまったため、カガリはワケわかんなくなってしまいます。とても恋愛感情何て生まれるような再会ではなかったのです。



ーキラは最低な男ー


第17話で、カガリはキラを探します。感謝の気持ちを伝えたいし、何か気になるし、モヤモヤしています。自分でもわからないから、キラと話しがしたかったのです。そんな時でした。カガリはキラとフレイがくっついているところと、キラ、フレイ、サイの3人の修羅場を目撃してしまいます。(正しくは覗き見していた)


フレイ「夕べはキラの部屋にいたんだから!」


これを聞いたカガリはビックリです。


カガリ「(えーっ!?)」

キラには女がいる。しかも、その相手は人の彼女。その人の彼女と関係を持った。手を出した。キラに対する印象が良かっただけに、カガリはキラがわからなくなってしまいます。


そして…


カガリ「(コイツ、最っ低な男だな)」

リマスター版でカガリの表情が変更されたことで、ハッキリと分かりやすくなりました。


ここからカガリは、女がいるキラ、人の彼女に手を出して関係を持ったキラを男として見ることはなくなります。こういう男はカガリとしては非常に嫌うものですから、恋愛対象になることはありません。また、恋愛ごとに疎いため、キラが女にだらしない奴だとすぐに見抜いたでしょうから、その時点でキラはアウトです。とても男として何て見られないし、それこそ恋愛感情何て抱けるはずもありません。カガリはもうキラを男として見ることは出来なくなり、男として見ることはしなくなります。つまり、キラは恋愛対象外になったということです。


※キラとフレイがそうなったのには、理由があるのです。その経緯は、まぁいずれ。




ーカガリが二人に抱く感情の違いー


その後、カガリがキラに抱きつくシーンが度々出てきます。


他にもあります。カガリがキラにどうして抱きつけるのかといえば、「男として見ていないから」なのです。だから、抱きつけるのです。意識していたら、とてもそんなこと出来ません。あと、キラに心を許しているからでもあります。


しかし、アスランに対しては違います。


まず、キラには見せない女の子としての一面を見せます。例えば、第24話でアスランにお腹が鳴ってしまったのを聞かれて恥じらう場面があります。


これがキラや他の男性、同性相手だったら、カガリは恥じらうことはなかったでしょう。しかし、アスランに対しては男として見ているので、恥ずかしさを感じてしまったのです。好意を抱いていなくても、男の人に聞かれたり、見られたら恥ずかしいことってありますよね?このあとの下着姿を指摘されたのもそうです。男の人(アスラン)に見られてしまったのが恥ずかしい。これは異性を意識し、男の目線を気にしたカガリの女の子の一面です。この回でのこういうシーンは、キラとカガリは恋愛関係になることはないが、アスランとは恋愛関係になり得ることを示唆しています。アスランがキラのような理由で恋愛対象外になっていないからです。要は、好きになる可能性はあるよ、ということですね。ここでのアスランはカガリには印象良かったでしょうしね。「悪い奴じゃない」って。


そして最もわかりやすいのが、ここです。


先ほども書いたように、キラには抱きつけるのです。

しかし、アスランが抱きついてくると、カガリはカチンコチンに固まってしまいます。

この違いは何かといえば、異性を意識しているかどうかです。


固まるのは、緊張してしまうから。顔を赤らめるのは、ドキドキしたり、恥ずかしさを感じるから。


キラに対しては男として見ていないから、平気なんです。ドキドキや恥ずかしさ何てありません。


もっと言えば、恋愛対象外の人には何も思わないし何も感じませんが、恋愛対象となり得る人や、好きな人が近寄ってきたり抱きついてくると、人は緊張するものです。


この違いが、カガリが抱く感情の違いですね。リアクションや表情などを見ていけば、カガリが二人をどう見ていてどう思っているのかわかるかと思うのですが、残念ながらそうではなかったようです。ハッキリ言わせて頂くと、読み込みが甘いです。キラに抱きついた=好きなんだ(恋愛という意味で)と解釈してしまうのは甘い上に短絡的だなと感じます。


以上のことから、カガリがキラに想いを寄せている、カガリはキラに心引かれているなどというのは全く違うということはご理解頂けたのではないでしょうか?


あとですね、写真をキラに見せて動揺しているカガリを、心引かれているキラがキョウダイだったから大ショックとか、そりゃ違うだろうって言いたいです。


これまで自分が信じていたものが崩れてしまったのですから、ショックは計り知れないでしょう。父だと思っていた父は本当の父ではない、血の繋がりがない、しかも、父を二人も失ってしまったことになるとか、カガリには衝撃が大きすぎます。いきなりキラがキョウダイとか言われても、困惑するでしょう。気持ちの整理がすぐにはつきませんよ。カガリの心情をもっと読み取りましょう。



では最後に、カガリがアスランを男として、異性として強く意識したのはどこかを述べて、終わりにします。



ー本当の意味で「男」を意識した瞬間ー


それは間違いなく、キスされた時と言えます。

いくら恋愛ごとに疎いカガリでも、いきなりキスされたら嫌でも意識します。するようになります。ここでのアスランは一人の男としてカガリに気持ちを伝えている上に男らしさがすごいので、そりゃカガリはアスランから男を感じるでしょうし、意識するようになりますよ。


ここはとても良いシーンです。大好きですね。



以上、人からよく言われるベスト5、第3位でした。次回は第2位をお送りします。