アスランとカガリベスト5、第2位の発表です。

アスランとカガリベスト5、第2位


「体は離れても、心は繋がってる」(ガンダムSEED Destiny第44話「変革の序曲」より)※リマスター版



正式にオーブ軍となったアークエンジェルは、宇宙へと出航する。出航の前、カガリは代表首長としてオーブの意志を皆に示します。アークエンジェルに意志を託し、カガリはオーブに残ります。復興と混乱の最中にある地上を纏めるリーダーとして尽力するためです。その決意と覚悟が固いことは、彼女の表情と口調から明らかでした。そして、カガリの指から指輪が外されていることにアスランは気付きます。


カガリはもう子供時代を卒業し、大人になったのです。何よりも、指輪ももう二人には必要ありません。


もうあの頃のように共に戦場を駆けることはない。寂しさはないと言ったら嘘になる。でも、二人が目指すものは同じです。


ネオにアカツキを託したあと、カガリはアスランに声をかけることも振り返ることもなく、その場を後にしていきました。また、アスランも呼び止めることをしませんでした。


それを見て心配したキラとラクスは、アスランに駆け寄ってきます。しかし、アスランは心配無用とばかりに、晴れやかな表情で言います。


アスラン「いいんだ。今はこれで。焦らなくていい。夢は同じだ」

焦る必要など、どこにもない。物も必要ない。その必要性もない。体は離れても、俺たちの心は繋がってる。だから、俺たちに言葉は必要ない。


二人の間には強固な信頼がありました。そして、二人は落ち着いた大人の関係になってきました。同時にそれは、子供時代に終わりを告げる言葉でもありました。



出航直前、カガリはキラ、ラクスと抱擁を交わします。続いて最後は…

カガリの瞳は、真っ直ぐにアスランに向けられます。

カガリがすぐにアスランと抱擁を交わしにいかないのは、特別な感情を抱いている人だから。こういう時、特別な感情を抱いている人を前にしたら、すぐにはいけない。一旦立ち止まり、相手の目を見つめてしまうものです。


一人の女の子としては、国も責任も何もかも全てほっぽりだして一緒に行きたい。一緒に行って、愛する人を守りたい。それが出来たらと思う…。でも、それはもう出来ない。自分はオーブの代表で、国を守る責任と務めがあるから。だからといって、逆にアスランに行かないでくれと言うことも出来ない。それをしたら同じことの繰り返しになってしまうから。



いつだってカガリはオーブを選んでいた。どんなに一緒に行きたいと思っていても、彼女に国を棄てる何ていう選択は出来るわけがない。国は何よりも大事で大切にしたいものということは、よくわかっている。自分だって同じ立場だったら同じ選択をした。そして、例えここで自分が一緒に来いと言っても、彼女は決して首を縦に振ることはないだろう。いや、それは言ってはならないこと。「国を棄てろ」と言ってるのと同義だから。そして、また悩ませ、困らせるだけ。


わかっている。彼女の気持ちも、選択も。その重さも。

あんなに大変でキツイ思いをして、それでも彼女は誰よりも厳しい道を行く。その決意と覚悟は相当なものだろう。


アスランは自ら動き、カガリを抱きしめにいきます。

そして、強く抱き寄せます。

抱きしめ方に、手にこもる力強さ。それは、今は言葉にすることは出来ないカガリへの想い。


何も言わなくていい。ちゃんとわかっているから。体は離れても、心は彼女のそばにある。



アスランがこういうことをしてくるとは思わなかった。抱きしめてくる手の力強さ。それは、初めて抱きしめられた時を想起させた。女性として愛されることの幸福感と喜びを初めて知った、あの時を。その手から伝わってくるアスランの想い。

カガリの手がゆっくりと上がる。その表情は、女性そのもの。

誰に言われたわけではない。アスランがこうしたいから、こうした。それは、一人の男としてカガリを抱きしめたかったから抱きしめたということ。


カガリもまた、代表としてではなく、一人の女性としてアスランを抱きしめ返す。


一緒に行きたいけど、それは出来ない。もう、何もしてあげられない。でも、私の心はずっとアスランと共にある。


これまで公に出来ず、隠しては隠れてきた。だが、ここで初めて二人は人目を憚ることなく抱きしめ合う。


お互いに対する想い、離れがたい想い。二人の間に言葉はない。何も言わなくても通じ合ってるから。それに、今は言えない。言ってはならない。だから…。(ラクスが見切れてる。ごめんね)

相手を繋ぎとめておくために指輪を贈る。キスや物での繋がり。そういうのが絶対必要だとするならおかしな話しであり、それは心の繋がりがあるとは言えない。


遠く離れ、どこにいようとも、頻繁に会えなくても、お互いがお互いのことを理解し、信じ、想っていることが大事。


この世界にたった一人だけでも自分を愛してくれる人がいる。あるがままの自分を認め、受け入れてくれる存在が。その存在が自分にとって、どれほど心強い支えになるか。


ずっと一緒にいる必要はない。


ずっと一緒でなきゃ、そばにいなきゃダメ。愛せないというのでは、やっていけない。将来的に常にずっとそばにいて、一緒にいられる何てありえない。それは幻想。


大切なことはずっと一緒にいることではなく、ずっと繋がっていること。キスや指輪といった体や物の繋がりではなく、心が繋がっていることが大切。


目指すべきものを持ち、お互いがお互いの支えとなる。そこに理解、信頼、応援、思いやる気持ちがあって、心はより強く繋がっていく。


だから、アスランとカガリは常にずっと一緒にいるような繋がりを手にしたと言える。


二人の夢は同じ。これから二人は生を共に歩んでいく。二人が再び向き合う時は訪れるのか?それは誰にもわかりません。もしその時が来たら、お互い言葉にして伝えるでしょう。


「好き」と。


例え向き合う時が訪れないとしても、それでも二人の心はずっと繋がってる。


大人になった二人を祝して、乾杯!(今さらだけど)
(^^)/\(^^)







第2位は、Destinyの抱きしめ合う二人のシーンとなりました。


まず、アスランが自ら動いたというのが良いですね。やっぱり男からいかないとね。少し前のアスランだったら、自分には力がないから、立場がないからとか、常識やルールが…とかまた理屈や正論をウダウダ言って、動かなかったと思います。うるせぇな!お前はどうしたいんだよ!と言いたくなるくらいに。


この44話と8話のアスラン、立場的にも力的にもほとんど変わらないと思います。画面上に映っている人物の中で、アスランは一番下じゃないですか?キラたちの方が階級は上ですよね?また、アスランには肩書きがあるわけでもありません。あっても「元」が付くものです。ということは、変わらないということですよ。


でも、アスランは自ら動きました。誰かに言われたわけでも命令されたわけでも、背中を押されたわけでもありません。


それはどうして?


アスランがそうしたかったからです。


何で抱きしめたんだ?って聞いたら、アスランはそう答えたでしょう。


カガリを抱きしめたかったから、抱きしめたのだと。


それはオーブ軍のアスラン・ザラでもアークエンジェルクルーのアスラン・ザラでもなく、「一個人アスラン・ザラ」として。


一人の人間、一人の男としてカガリを抱きしめる。カガリが代表だからではありません。本当に大変で厳しい道だとわかっていても、その道を行く決意をした。そんなカガリだから。


何てカッコイイ!やっぱり、やる時はやる男です。


あんなに動けず、動こうともしなかったアスランの成長であり、男らしさを感じる良いシーンです。っていうかね、ここで動かなかったらマジで男じゃないです。


カガリも人として、女性として成長しましたね。あんなに落ち着きが出ちゃって。もう狼狽えたり、固まったりしないんだなぁと思うと寂しいですが、もう大人ですものね。そういう姿を見せることはもうないでしょう。いや、二人きりになると話しは別かもしれませんが。


指輪は…あれは外されて当然のもの。そりゃそうでしょう!子供だったカガリが、「それ」がわかるほどの大人の女性になったということです。もう子供じゃないんです。そして、「それ」に気が付いたからアスランは抱きしめたというのもありそうです。カガリはすごく嬉しかったんじゃないかな。



ここにユウナたちがいたとして、二人をまた引き裂こう、引き離そうとしても、それはもう出来ないですね。無理です。8話のようなことをされてもアスランはもう堂々としているでしょうし、カガリは相手にせず追っ払うでしょうから。もうそれだけの二人になってます。


んでね、何よりも涙してしまうのは、人前で堂々と出来ず、公にも出来ず、公表も出来ず、隠して隠れてきた二人が初めて人前で憚ることなく抱きしめ合ったこと!


もう、感動しちゃって…(泣)


(カガリがバラしちゃったけど)名前さえ呼べなくて、バレないようにしてっていう二人を見てきたからね、もう泣きますよ。


そして、二人を誰も引き離そうとしなかったことにも。これがね、明るい未来を予感させるのですよ。キラたちの見守るあたたかい目がまた素敵で…。二人には何よりも心強い味方ですね。ここらへん、僕はもう涙腺がヤバイことになります。何度観ても!


二人の抱きしめ方もまた良いじゃないですか!しっかりと抱きしめてるって感じが!だからこそ、お互いのお互いに対する気持ちがすごく伝わってくるのですよ。言葉がないから余計にね。その前の見つめ合ってるところも好きです。


言葉にして伝えられる時が来たら、アスランからいってほしいです。そこはやっぱり男がいかないと!それを想像したりして、まだまだ楽しみたいと思います。


「いいんだ。今はこれで。焦らなくていい。夢は同じだ」


何て素敵な言葉でしょうか。揺らがない強い信頼、心の繋がり。もうこれだけで泣ける。二人とも、大人になっちゃったんだな…。そんな寂しさもあるけど、好きなセリフです。




次回は、第1位の発表です。