2024.10.15
"納豆巾着"を試食してもらった話
10月に入ってからもう2週間が過ぎようとしています。
早いもので、約1か月のマヨルカ島滞在も終盤にさしかかりました。
長かったような短かったような、帰りたいような帰りたくないような、複雑な気持ちですが、「チョット暮らしてみる」という観点からすると、1か月という長さは丁度良かったように思います。
昔は3・4ヶ月という長期の旅行も難なくこなしていましたが、齢とともに"滞空時間”が短くなってきました。
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前にも述べましたが、マヨルカ島は新鮮な魚介類が容易に手に入るので、「ムール貝のワイン蒸し」や「イカ墨のパスタ」や「シーフード・リゾット」などを朝食に食べることが多く、日本から持ってきて冷凍保存していた納豆や油揚げが大量に残ってしまいました。
どうしようかと悩んでいると、女房が「よく居酒屋で出てくる"納豆巾着"を作ってみたら?」と言います。「そりゃあ良いアイディアだ!」ということで早速作ってみました。
油揚げの口を閉じるのに使う楊枝を貰いにプールサイドのバーカウンターに行って「楊枝を10本ちょうだい。」と言うと、カウンターのオヤジが「10本⁈ 部屋でパーティーでもやっているのかい?」と冗談を飛ばしてきました。
「料理に使うんだよ。」と答えると、女性のスタッフが沢山渡してくれました。
納豆をよくかき混ぜて粘り気を出した後、ポン酢と和辛子で味付けをして、湯引きをした油揚げに詰めて、ごま油を敷いたフライパンでコンガリ焼き上げてみました。
食べてみるとなかなかイケます。醤油とマヨネーズで作ったソースを付けて食べるとスペイン風でなお一層美味しく、立派なお摘みになります。
「そうだ、バーカウンターの彼らに食べさせてみよう!」と思いつき、「止めなさいよ!」と引き留める女房を振り切って、熱々のフライパンごと持って行ってみました。
「さっき貰った楊枝を使って作った日本のタパスだよ。食べてみる勇気ある?」と訊くと気安く応じて試食してくれました。
食べた瞬間の彼らの反応をビデオに録りましたのでご覧ください。
彼らは「うん、フツーに美味しい。」と言う程度の反応で、納豆の異様な匂いと食感に目を白黒させるような(期待した?)反応は見られませんでした。
女性スタッフが食べた後に納豆をシゲシゲと見ていたので、「これは大豆を発酵させた食べ物で『ナットウ』と言うんだよ。」と教えると、「ナットウ知ってます。」というのでビックリしました。
いずれにしても、多分彼らは"納豆巾着"を最初に食べたマヨルカ島民でしょう。
まだ沢山残っていたので、帰りがけに顔馴染みのメイドさんたちの溜り場に寄って「日本のタパスを作ってみたんだ。食べてみてくれる?」と言って差し入れしてきました。
お陰で食材を無駄にすることなく、スタッフ達ともコミュニケーションが取れて、良かったです。(彼らにしてみれば、変な匂いのする物を食べさせられていい迷惑だったと思いますが・・・。)
翌日、メイドさんの詰所の前を通りかかると、「昨日はご馳走様!とーてっも美味しかったわよ!」と口々に言ってくれました。嘘じゃないようでした。
今年喜寿にならんとするジジイが、ヒマに任せてこんなことをして退屈凌ぎをしております。