2023.12.20

 

乗客が遅れても待たずに発車⁈

 

 

昨日パソコンに向かっていた時、上のような見出しの記事が目に留まりました。

何でも、JRバス東北が「年末年始にご利用のお客様へ」と題して、「SA、PAでも定刻発車 お客様でも待ちません」と注意喚起を行っているというのです。 

 

記事によるとJRバス東北の担当者は「バスは発車時刻になると発車します。お客さまが発車時刻にいらっしゃらない場合でも、弊社からお客さまへご連絡すること及び、お客さまをお待ちすることはございません。」と言い切っているそうです。  

このルールは休憩に立ち寄ったサービスエリアやパーキングエリアでも適用されるとのことで、ウッカリ遅刻すると置き去りにされてしまう恐れもありそうです。

 

何故私がこの記事に反応したかというと、実は昔、スペインを長距離バスで旅行中、私の家内がトイレに行っている間にバスが発車しそうになった事件があったからなのです。
その時は私の咄嗟の機転で難を逃れましたが、この件は未だに夫婦の間で語り草になっている冷や汗ものの事件だったのです。

 

時は今を去ること9年前の2014年9月1日、サン・ヴィセンテ・デ・ラ・バルケラ から サンチャゴ・デ・コンポステーラ に向けてバスで移動中、ア・コルーニャ という町のバスターミナルで小休止がありました。
家内が「ちょっとトイレに行ってくるわ。」と言ってトイレを探しに行ったので、私はバスの外で立って待っていました。すると運転手が乗り込んで何の前触れもなくいきなりドアを閉めて発車しだしました 私はすぐドアを叩いてバスを止め、乗せてもらうことが出来ましたが、家内は未だ戻ってきません。

私が「女房がトイレに行っているからちょっと待っててください。」と言っているにも拘らず、運転手はすぐにドアを閉めて発車するではありませんか。

私は「No! No! Stop! Stop! 家内がまだ帰っていないので待ってて!」と言ったのですがが、運転手は構わず行こうとします

こんなところで家内を置き去りにするわけにはいかないので、私は咄嗟にハンドルを掴んで運転を阻止しました。そうでもしなければドンドン出て行ったしまう勢いだったので私も必死でした。

運転手は怒って、ハンドルのポジションを跳ね上げ、立ち上がって声を荒げて「時間なんだから出発しなきゃなんないんだ! 勝手にバスを離れたのが悪いんだ!」と言っているのかどうかは分かりませんが、激しく怒って怒鳴りました

私は、ほかの乗客の手前もあるので「I am sorry. But、Please wait!  Please! 」と務めて丁寧に懇願しました。

運転手は「それじゃ、お前も降りろ!」というように怒鳴ってドアを開けたので、私は「シメシメ、ドアが閉まらないように足で抑えてしまえば発車できないだろう。」とドアの所へ行こうとした時、向こうの方から走ってくる家内の姿が見えました。

家内もバスが出かかっていて、私が運転手と何か揉めているようなのを見て、ヤバイと思って走ってきたのです。

 

あわやという所で難を逃れたましたが、あの時ハンドルを掴んで運転を阻止しなかったら、いくら言葉で言っていても埒が明かず、家内は言葉も通じず右も左もわからない土地にお金も持たずに置き去りにされるところだった訳で、今考えても恐ろしくなってしまいます。

 

 

JRバス東北も含めて日本のバスであれば、定時発車と言っても運転手は必ず「ここで〇分の休憩を取ります。〇〇時に出発しますので遅れないようにバスにお戻りください。」と丁寧に案内をすると思います。

しかしスペインのバスの運転手にはそのような丁寧な対応を望むべくもありません。運転手は何の説明もせずにバスを停めて降りていき、また戻ってきて無言で発車するのです。酷いもんです。

 

冷静に考えてみれば、ハンドルを握って運転を阻止する行為は、運転の妨害であり犯罪です。決してマネをしないように。(誰がマネをするものか!)

今回の記事によると、日本でもサービスエリアで置き去りにされた人が結構いるようです。
長距離バスの休憩時間にバスから離れる場合は、停車時間を確認し、くれぐれも遅れないようにバスに戻るよう注意しましょう。