2023.9.29

 

圧巻のコンスタンツ

 

トーマ湖から流れ出たライン河はアルプスの渓谷を一気に流れ下り、クール、リヒテンシュタイン公国を経てボーデン湖(Bodensee)に流れ込みます。

そのボーデン湖が狭まって、隣のウンター湖(Untersee)へ向けて流れ出そうという所にコンスタンツ(Konstanz)という美しい街があります。今日はその街を訪ねます。

私は来年の夏の避暑地としてここはどうかな?と思って、その下見の意味も兼ねているのです。

 

今日の行程は非常に複雑です。

ユースホステルのあったシャーン・クァダール(Shaan Quader)からバスでシャーン・バーンホフ(Shaan Bahnhof)⇒ブックス(Buchs)⇒アルトシュタッテン(Altstatten)と乗継ぎ、

今度は列車でアルトシュタッテン⇒ロールシャッハ(Rorschach)⇒ローマンスホルン(Romabshorn)⇒クロイツリンゲン(Krauzlingen)⇒コンスタンツ(Konstanz)⇒コンスタンツ・ヴォルマティンゲン(Konstanz Wollmatingen)と7回も乗換えが必要となるのです。

 

私は注意して乗っていたのですが、車窓に現れたボーデン湖の美しさに見惚れ、写真を撮ったりしているうちに、ついうっかりクロイツリンゲンの駅を乗り越してしまいました。

 

 

幸いすぐに逆方向の列車が来て、予定より30分遅れただけで事なきを得ました。

 

コンスタンツの駅に着いたのですが、取り敢えず重い荷物を置きに、今日の宿に向かいました。

今日の宿はゲリーズ・バックパッカー(Gerry‘s Backpacker)という安宿です。

コンスタンツの街から4駅も離れ、しかも駅から750m徒歩10分という不便なところにあります。

 

宿はバイク屋を兼ねているようで、今まで泊まった宿の中で一番シャビ―な感じでしたが、たった1日の泊まりですので私は全く気にしません。個室ですのでそれだけでも有り難いです。

雑然とした安宿です

二段ベッドの個室

キッチン

中庭

 

 

宿に荷物を置いて、早速、バスでコンスタンツの街の見学に出かけました。

コンスタンツの街は古い歴史を誇る美しい街です。

 

先ず向かったのは有名なインペリア像 (Imperia)がある桟橋です。

 

この像は、かって宗教会議が開催されていた期間(1414-1418)、この地に滞在した娼婦がモデルとなっています。 右手に縮こまった皇帝、左手に悪賢そうな教皇を乗せ堂々と直立している姿は風刺が効いていて実に面白いと思いました。

 

この像は3分かけて360度回転します。

 

読者から質問がありましたので、追加掲載します。

手の平の上の皇帝と教皇は、実は裸なんです。その写真がこちら。

シワシワで貧相な身体に弛んだ腹

 

醜く垂れた肉

 

 

この桟橋の横にある緑地帯(Stadtgarten)が涼しげで気持ち良さそうです。

桟橋の横の水辺で寛ぐ人々。 白鳥や水鳥が沢山いました。

桟橋の後ろにある大きな建物が、宗教会議が開催された「公会議場」です。

今は1階がレストラン、2階がホールになっていており、結婚式の披露宴にも使われます。私が行った時は2階は使われておらずガランとしていました。

かつて宗教会議が開かれた場所

 

 

観光案内所に行って「見どころを教えてちょうだい。」と言ったら、「街の見どころを地図付きで詳しく解説した冊子があるのよ。1€だけど、地図上の番号に沿って歩いて行けば、見どころを全て巡ることが出来るのでお薦めヨ。」というので購入しました。

「そうか、ここはドイツだからユーロ€なんだな。」と国境を越えてドイツに居ることを実感しました。

 

地図に従って廻ったところを掻い摘んでご紹介します。と言っても沢山あります。

 

 

 

皇帝の噴水です

 

 

皇帝の噴水

 

皇帝の噴水のアップ

 

Wessenberg通りの街並み

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュネッツトールSchnetztor gate

 

 

 

 

 

 

下の写真はコンスタンツの市庁舎です。(Rathaus Konstanz)

市庁舎(Town Hall)

 

壁画のアップで

 

壁画のアップです

下は市庁舎の中庭から撮影した写真です。

中庭から見た市庁舎

 

 

 

 

下の写真は「黄金の獅子の館」(Zum Goldenen Löwen)です。

壁面がひときわ美しい

 

下の写真は、コンスタンツ大聖堂(別名Minster of our Lady教会)ですが、コンスタンツ公会議の期間中ここで教会総会が招集され、1415年7月にプラハの宗教改革者ヤン フスが異端の罪で死刑を宣告されたのもこの場所です。

Minster of our Lady

 

コンスタンツ大聖堂

 

大聖堂の中

 

 説教

 

ステンドグラス

 

ステンドグラス

 

正面祭壇画

 

説教台とパイプオルガン

 

側廊にあった(と思う)この祭壇は興味深いものでした。疑い深いトマスがキリストの脇腹の傷に指を差し込んで確かめている場面でしょう。トマスはこれでキリストの復活を信じるのですが、イエスはトマスに「私を見たから信じたのか。見ないのに信じる者は幸いである。」というのです。この一節(ヨハネによる福音書)私はすごく好きです。見ないのに信じるーこれって凄く重要なことだと思います。

 

パイプオルガンの装飾が見事

 

入り口の重厚な木製のドア

 

入り口の木製のドアには、聖書の場面が繊細な彫刻で表現されていて興味深かったので、「受胎告知」から「イエスの昇天」までの部分を写真に撮ってみました。狭いスペースに大胆な構図で良く表現されていると思いました。

 

 

下の写真は聖ステファン教会(St.Stephen's Church)です。

St. Stephen’s Church

 

ステファン教会の側面です

 

聖ステファン教会の内部です

 

主祭壇です

 

主身廊のアーチと壁画です

 

背後のパイプオルガンです

 

 

教会を出て、他にも放浪してみました。

 

 

旧イエスズ会大学とキリスト教会

 

ボーデン湖から隣のウンター湖に向けてライン河がまさに流れ出ようとするところに、ラインゲートタワー(Rheintorturm)が建っていました。

Rhine Gate Tower

 

ドアが開いていました

 

塔の中を覗いてみました

 

2階はカフェ兼ショップみたい

3階はミュージアムか展示場のようでしたがクローズしていました。

 

下の写真はアルテ・ライン橋(Alte Rheinbrucke)を渡った向こう岸の風景です。

Alte Rheinbrucke

橋の手前の景色です。

右がシュタットガルテン、左がシュタイゲンベルガ―・インゼル・ホテル

Steigenberger Insel Hotel

 

湖の一部が水路になっています

 

大きな魚が悠々と泳いでいました

 

一通り街を巡った後、インぺリアの桟橋の横の緑地帯 シュタットガルテン(Stadtgarten) の売店でビールを買い、湖畔のベンチに座って一休みしました。

 

高級ホテル シュタイゲンベルガー・インゼル

 

このホテルの中にヤンフスが幽閉されていた塔が今もあるそうです。

そして、ヤン・フスが塔に幽閉された様子を再現した壁画がこれだそうです。

写真はTRAVELのサイトから拝借

 

 

 

ホテルと対岸の眺め

 

公会議場が夕陽のシルエットに

 

コンスタンツの街を急ぎ足で巡ってみましたが、奥が深いコンスタンツの魅力を短時間で味わい尽くすことは到底出来ません。またゆっくりと来てみたいと思いました。

 

来年の夏の避暑地としてどうかな?という点に関しては、コンスタンツの街の中ではなく、ボーデン湖かウンター湖の湖畔で、湖水欲が出来て、値段が手ごろなアパートが見つかれば、そこを拠点にスイスやドイツの観光地を訪ねながら、ひと夏を過ごしてみても良いかな・・・と思いました。先ずは適当なアパート探しから始めなければなりません。

 

明日はシュタイン・アム・ライン(Stein am Rhein)に移動します。