2023.9.28
リヒテンシュタイン公国という国
クールを出てリヒテンシュタイン公国に入りました。日本の小豆島とほぼ同じ面積で人口は39,000人程度の小国です。
今日の行程は列車でクール(Chur)⇒サルガンツ(Sargans)、そこから今度はバスで⇒ヴァドーツ(Vaduz)⇒シャーン クァダール(Schaan Quader)と乗り継ぐことになります。
リヒテンシュタインの首都ヴァドーツやその隣のシャーンは、山々に囲まれた緑豊かな落ち着いた街です。
今日泊まるシャーン・ヴァドーツ・ユースホステルはシャーン鉄道駅からバスで一駅乗ったシャーン・クァダールという郊外にありました。
ホステルの周囲は、トウモロコシ畑やその他の作物の広々とした農地が広がっていて、とても静かな環境にありました。
建物は素晴らしく綺麗で、良く考えて機能的に設計されています。
一番驚いたのは、食堂の壁に掛かっている大きな木製のパネルが、食事時になると跳ね上がり、調理場から料理を提供する広いカウンターに早変わりすることです。
このアイディアは素晴らしいと思いました。
その他にも、トイレらしき場所に大きな木製のドアが3つ並んでいるのですが、何の表示もないので???と思ってよく見ると、床に男性用、女性用、身障者用の区分がマークで表示されていました。
このホステルは基本的に壁に標識案内はなく、全て床に表示されています。 とてもお洒落なデザイン感覚だと思いました。
リヒテンシュタインという国は、見どころの少ない国だと感じました。
従って、撮影した写真も多くはありません。
リヒテンシュタインは切手で有名ですので入ってみました。
ヴァドーツ城は丘の上にあって全貌が見えにくく、しかも工事中でしたのでウエブから写真を拝借してみました。
今回はライン河を巡る旅がテーマでしたので、リヒテンシュタインを流れるライン河の姿を見ずに去る訳には行きません。
ライン河はヴァドーツの郊外(西に1km位)を流れています。
地図で一番近いところを探していると「旧ライン橋」という橋があったので足を延ばしてみました。
何と!屋根付きの木造の橋です。 しかも長い!
橋の窓は鎧戸形式になっていて、景色を眺めるには具合よくありません。
スマホを隙間に差し込んで落とさないように注意しながら撮影しました。
最後にリヒテンシュタイン公国の紋章を掲げておきます。
リヒテンシュタイン公国はスイスとオーストリアに挟まれた小国で、産業は精密機械、牧畜、医療、国際金融、観光、そして切手です。
特にタックスヘイブンとして有名で、世界中からペーパーカンパニーが集中し、人口よりも法人企業数が多いと言われ、税収の40%がこうした企業からの法人税収だそうです。
そのため一般国民には所得税・相続税・贈与税といった直接税が課税されないそうで、税金が大嫌いな私としては是非とも移住したい国です。
あまり刺激のない面白みに欠ける国のように思えますが、長い歴史と伝統を誇る公爵家を中心とした立憲君主制の下、人間が人間として生きていくうえで大切なこと、必要なことは何かを追求し、余計なものを削ぎ落していって残った姿が今日のこの公国の姿ではないかと思えてきました。
国民の幸福度は高そうに思えましたが、今の若者やお年寄りが実際はどのように感じながら暮らしているのか知りたいと思いながらも、言葉の壁は厚くその機会は得られませんでした。
明日はボーデン湖畔の街、コンスタンツに移動します。