2023.9.26

 

憧れのトーマ湖とご対面

 

昨日の晩は8時頃に寝てしまったため、今朝は4時頃目が覚めました。

寝室は真っ暗でしたが、手探り状態で必要な荷物を纏め、音を立てることなく寝室を抜け出しました。

1階のトイレで用を足したついでに外に出てみると、今まで見たこともないような夥しい星が満天に輝いていました。

 

食堂に明かりを点け、テーブルでLINEをしたり、ブログの記事の下書きをWordに書いたりして夜が明けるのを待ちました。

 

東の空が白んできて・・・

 

西に聳える山の頂が輝きます

 

7時頃になるとポツポツと泊り客が起きてきました。

 

山小屋の朝食は質素です。

チーズが一欠けと、サラミの薄いスライスが少々、コーヒー、バターとジャム、それにパンは茶色くて酸っぱみのあるライ麦パンです。

 

私がチーズもサラミもバターもパンもお替りをお願いしたら、快く追加を出してくれました。何しろ腹が減っては登山は出来ませんからね。

 

 

朝食の後もゆっくり過ごし、11時過ぎに今回の旅の目的であるライン河の源流「トーマ湖」を目指して宿を出ました。

ここがトレイルの始まりです

 

標識も整備されています

 

岩の陰には残雪も見られます

 

先を見上げると、トレイルが何処にあるのかよく分かりませんが、歩いて行くとチャンと整備された道が現れます。

 

下の写真は単なる池で、トーマ湖ではありません。池の上方にCamona da Maighelsヒュッテが小さく見えます。

 

岩に赤白の標識が記されています

 

上から降りて来る人が居ました

 

こんな岩のテーブルがありました

 

トーマ湖までの道程は意外にタフでした。先人の足跡と紅白の標識を頼りに、足を捻挫しないように気を付けながら登ります。

途中、岩壁からが崩落した岩が折り重なった個所もありました。

白い印が付けられていますので道を見失うことはありませんが、もし印が無かったら途方に暮れてしまうことでしょう。

 

今来た道を振り返った眺め

 

険しいガレ場を横切ります

 

上りや下りを繰り返し、漸くトーマ湖から流れ出たばかりに違いないと思われる、ライン河の赤ちゃんに出会うことが出来ました。

 

ここからトーマ湖はもう一息の筈です。

 

最後の急登坂を頑張ると、トーマ湖が姿を現しました。  

夢にまで見たトーマ湖の姿に感激です❣

感激のご対面です!

 

まだ陽が登り切っていないため、湖面の半分は横に聳える山の影が覆っていて暗いのですが、それが却って神秘さを増して美しく感じられます。

ライン河のスタート地点

 

トーマ湖の全貌です

 

私は湖の周辺を散策しながら、たっぷり時間をかけて湖畔の眺めを満喫しました。

夢にまで見たトーマ湖。 感無量!

 

 

 

湖畔を見下ろす高台には、石碑が立っていて「QUELLE RHEIN ラインの源」と彫られていました。
温泉マークみたいな丸いレリーフは、この地域の4つの水源を示すものと思われ、円の周囲には「QUELLEN WEG VIER」(4つの水源)と彫ってありました。

 

また、トーマ湖に背を向けて設置されたベンチの背には、「4つの水源 発案者であり開拓者のポール・デュバッハーに感謝」と彫ってありました。(私なりの意訳です。違っているかもしれません。)

きっとポールさんが、このゴッダルド地方の4つの水源を巡るトレッキングルートの開拓を発案し、実際に彼が率先して登山道を整備してくれたのだろうと勝手に解釈しています。

 

後で調べて分かったことですが、この辺りはゴッタルド山塊と呼ばれ、4つの水源が湧き出て、ライン河、ロイス河、ティチーノ河、ローヌ河と 4 方向に流れているそうです。

ライン河はスイスからフランスとドイツの国境を形成しながらオランダを経て北海に注ぎます。

ロイス河はルッツェルン湖に注ぎ、アーレ河と合流した後、ライン川と合流します。

ティチーノ河はマッジョーレ湖に注いだ後、アドレア海に注ぎます。

ローヌ河はレマン湖に注いだ後、地中海に注ぎます。

 

また、湖畔の巨石には、「RHEINQUELLE  1320km bis zur Mundung」(ライン河の源。河口まで1320km)と書いてあるプレートが嵌め込まれていました。

 

 

湖からライン河が流れ出る箇所と反対側の岸には平らな湿地帯があって、湖畔の柔らかい草叢の上で寛ぐことが出来ます。

 

何人かのハイカーが素足になって湖に足を漬けて冷たさを楽しんでいました。

 

 

約2時間を湖畔で過ごし、帰路に着きました。

帰路の方が少しはマシでしたが、それでも結構疲れました。

例の岩のテーブルで一休み

 

ようやく麓まで降りてきました。

膝がガクガクになりました

 

 

 

楽しみなディナーの時間となりました。

例によって大きなボールでスープが出されます。

 

今晩のメインはカレーでした。

カレーと言っても日本のカレーとは違って、ココナッツミルクが効いた円やかな味わいで、鶏肉が沢山入っていてとても美味しかったです。

 

何より久し振りのお米のご飯が嬉しかったです。

皆さん何杯もお替りして食べていました。もちろん私も。

 

デザートは、何種類かのナッツが入ったケーキでした。甘さ控えめで旨かったです。

 

 

 

今日は念願のトーマ湖に会えてとても満足でした。

快晴に恵まれ、事故もなく行って来れたことを感謝しながら深い眠りにつきました。

 

明日は山を下り、Tschamut(チャムット)の駅から列車でChur(クール)という街に行きます。