2023.9.23

 

ホスペンタール(Hospental)の村

 

いよいよスイスの山間部へ向かう日が来ました。

 

ホステルをチェックアウトして、チューリッヒ中央駅からホスペンタールを目指します。 乗り継ぎ時間を含めて僅か2時間半の列車旅です。

移動時間的には、もっと先まで行ってしまうことも可能なのですが、急ぐ旅でもないし折角なのでチョコチョコと泊まりながら色々な村の景色を楽しもうという算段です。

 

ホスペンタールへは、チューリッヒ(Zurich)⇒アルト・ゴールダウ(Arth-Goldau)⇒ゲーシェレン(Goschenen)⇒アンデルマット(Andermatt)⇒ホスペンタール(Hospental)という具合に3回も

乗り継ぎが必要となります。ウッカリ乗り過ごさないよう緊張して乗り継いで行きました。

 

列車は最初チューリッヒ湖畔に沿って南下します。

車窓には緑豊かなスイスらしい景色が広がり目を楽しませてくれます。

 

列車はやがて湖と分かれて南西に向きを変え、今度は ツーク湖 の畔に沿って南下を続けます。

 

ツーク湖を過ぎると直ぐにアルト・ゴールダウの駅に着き、乗り換えです。

 

次に列車はフィーアヴァルトシュテッテ湖(別名ルッツェルン湖)の東岸に沿って走った後、険しい山中をひたすら南下し、やがてゲーシェレンの駅に着きます。

 

ゲーシェレン(Göschenen) の駅に、今日のルートを示す地図が貼ってありましたので撮影しました。地図の中の長〇で囲んだ駅を通っていきます。「⇒」 の示す方向は明日行くオーバーラルプパスです。

矢印の先は明日行く方面です

 

 

アンデルマットの駅の手前に、何やら急流の滝のようなものがあって、何人かが車を止めて覗き込んでいました。

私は下調べをしていましたので「ああ、これが『悪魔の橋』と言われるヤツだな。」と判りました。あとで見に来ようと思います。

 

アンデルマットからホスペンタールまでは鉄道バスでの運行となっていました。

 

翌日のルートを考えるとアンデルマットに泊まった方が良いのですが、適当な安宿が無かったことと、ホスペンタールの方が鄙びた村で雰囲気が良さそうなのでこちらに泊まることにしました。

それは正解だったようです。アンデルマットはやや殺風景な味気ない町なのに対して、ホスペンタールはスイスの山間部の静かな村の味わいがあって気に入りました。

 

今日の宿もすぐに見つかりました。Gesthaus Pension Zum Turm です。

窓の花が綺麗なゲストハウスです

 

ゲストハウスのレストランです

 

宿に荷物を置いて、早速 村の散策に出かけました。

ホスペンタールの村の噴水

 

ゲストハウスの奥さんが薦めてくれた、すぐ裏手に聳える塔に登ってみました。

 

 

塔の入り口から上に登れます

 

塔の上からの眺めです

 

上の写真の中央にある教会に行ってみました。

内部はなかなか立派でした

 

村にはもう一つ別の教会がありました。

 

教会の内部です

 

中央祭壇のアップです

 

塔と教会の見学を終えて宿に戻ると部屋の支度が出来ていました。

私の部屋は簡素なシングルルームです。

 

バスとトイレは共同です。

 

一休みしてから、先程アンデルマットの駅の近くで見た「悪魔の橋」まで行ってみることにしました。

 

最初は歩いて行こうと思ったのですが、風がとても冷たいので列車に乗ることにしました。乗車券は一日有効ですので、切符を買う必要はありません。

 

ここホスペンタールの駅は完全な無人駅で、切符販売の窓口はおろか自動券売機すらありません。しかも、ホームには「Stop on request」と書いてあるのです。

「え?どうやってリクエストするんだ? 手でも振るのかな?」と思っていると、ツアーの一行と思しき数人のグループがやってきて、その中のコンダクターらしき人が「このボタンを押すのよ」と教えてくれました。 それを知らなかったら列車に乗り損なうところでした。

 

「悪魔の橋」はアンデルマットの駅から1kmほどの所にありました。

この橋の正式なドイツ語名は「トイフェルスブリュッケ (Teufelsbrücke)」と言います。 Teufels は 悪魔、brücke は 橋 です。

 

標識に従って歩いてゆくと、徐々に険しい山肌が現れるようになり、谷底にロイス川 (Reuss)の急流が覗けるようになってきました。

渓谷から吹き上げて来る強風が肌を刺すように冷たく感じられます。

 

ここで私のスマホが「プン」と小さな音を発してバッテリー切れとなってしまいました。

私はこの旅行のためにモバイルバッテリーを購入して持参して来たのですが、重たいので宿に置いてきてしまいました。

従ってここから先のトイフェルスブリュッケ (Teufelsbrücke)の画像は全てウエブから拝借したものです。

 

 

 

 

 

このトイフェルスブリュッケ (Teufelsbrücke)には次のような伝説があるそうです。

 

ロイス川を渡るのがあまりに困難だったため、あるスイスの牧夫が悪魔に橋を架けるように願いました。すると悪魔が現れて、願いを引き受ける代わりに橋を最初に渡るものを生け贄に差し出すようにと条件をつたそうです。牧夫はそれを受け容れましたが、橋が完成すると彼はヤギを先に渡らせて生け贄を回避しました。この行為に怒った悪魔は岩をつかんで橋に投げつけようとしましたが、ある老婆が十字架を岩に描いて悪魔が岩をつかむことができないようにしたということです

 

 

ゲストハウスに戻り、熱いシャワーを浴びて夕食をいただきました。

メインは スパゲッティー・ボロネーゼ にしたのですが、ウッカリ写真を撮り忘れてしまいました。

 

久し振りにビールを飲んだせいで良い気持ちになってしまい、8時に部屋に戻るとバタン・キューと寝てしまいました。

翌朝は3時に目が覚めたので、一昨日のブログを書きあげてアップしました。

 

そして朝食の時間にレストランに降りて行くと、私の他にゲストが2人いました。

パンをお替りしちゃいました

 

8時半にチェックアウトしてホスペンタールの駅に向かいました。

天気は快晴ですが、気温11℃、湿度57%と寒いです。 持参して来た防寒具は全て着込みましたので身体は大丈夫なのですが、手が冷たいので手袋を持ってくれば良かったと思いました。 東京を出る時の暑さから、手袋が要るとは想像もできませんでしたので止む無しです。

 

冷涼な空気の中で、雪を頂いた山々の峰が朝陽を受けて白く輝きます。

 

 

 

列車の切符は昨日のうちにスイス鉄道SBBのアプリで購入しました。
最初のうちはチャンとQRコード付きの切符を受信出来て、検札に来た車掌さんに画面を提示できるか不安でしたが、慣れてしまえばとても簡単です。

 

絶好の好天を感謝しながら「Stop on request」のボタンを押して列車を待ちます。

ホスペンタールからオーバーラルプパスまでの記事はまた次回に。