2023.5.30

徒然なるままに 

北温泉での湯治体験レポート

 

3日目の29日は朝から雨。

窓からの景色も靄の中に沈んでいます。

 

ま、どこに行く訳でもないので、雨だろうと晴れだろうと、湯治生活にはあまり関係ないんですがね・・・。強いて言えば朝の散歩が出来ないこと位です。

 

この宿は、山奥にあるため携帯電話は繋がりません。ところが WiFi は繋がっていて、私の部屋でもサクサクと作業できるので大いに助かっています。LINEでやり取りもできますし、もちろんLINE電話も掛けられます。YouTubeでヨーロッパの美しい景色を見たり音楽を聴いたりして無聊を慰めることもできます。

 

 

そして翌30日は晴れ。

やっぱり晴れると気持ちが良いです。

 

 

朝の散歩に出かけると、人懐っこいマルがついてきます。

猫と一緒にお散歩です

 

つつじが綺麗に咲いています。

 

 

 

この宿の構造は複雑で、なかなか全貌を捉えることが出来ません。

 

そしたら、上空から撮影した画像を見つけました。

画面右側の渡り廊下の先にある建物は、今は使用されていない食堂の「亀の間」で、その先が「河原の湯」(露天風呂)となっています。

 

 

宿の方に了解を得て、一番山奥(左)にある女性専用の「目の湯」を見学させてもらいました。 細長い階段をジグザグと登っていくと、ようやく辿り着きます。

横に細長い湯舟で、なかなか良さげなお風呂でした。

 

「目の湯」に行く途中の階段の踊り場から、閉ざされた扉を開けて朽ちかけた階段を降りると、卓球場がありました。 ドタバタやると床が抜けそうです。

 

 

 

「湯前神社」がこの入り口から石段を登って行ったところにあるというので、お参りさせていただくことにしました。

 

苔むした石段を滑らないように気を付けながら登ります。

 

やがてお社が見えました。

 

外観は素朴なお社ですが・・・。

 

中を拝見してビックリ!  格子天井には立派な装飾が施されています。

 

祭壇の左右には、大黒様と布袋様が頑張っておられます。

 

お社の前からは、宿の屋根が見下ろせます。

 

 

 

3階の部屋からの眺めです。 右が明治時代の建物です。

 

こちらはまた別の3階の部屋からの眺めです。

「天狗の湯」「打たせ湯」「家族湯」と続き、奥に「鬼子母神」のお社があります。

 

鬼子母神のお社の前からの眺めです。  

右手の足場の上方に「天狗の湯」の源泉が湧いてるそうです。

 

 

 

北温泉では、毎朝湯船と風呂場を徹底的に掃除しています。

江戸時代からズーっとこうして維持してきたのかと思うと頭が下がります。

 

「天狗の湯」と言えば、右奥にある小さな天狗のお面は「仮」の物で、本来は下の写真のようにもっと大きなお面が掛かっていたようです。

元々はこんなに大きなお面でした

或る時お客さんがふざけてぶら下がったところポッキリ折れてしまったそうです。

幸いそのお客さんは正直に申し出てくれて、弁償してくれることになっているそうです。  

修理は東京の製作元に送らねばならず、大変な金額がかかるようです。

努々ぶら下がったりすることの無いように・・・。  

 

それにしても立派なお面です

 

 

ロビーに張られたテルマエ・ロマエのロケ中の写真をよく見てみると、懐かしい顔ぶれが見られます。

天狗の湯に浸かってる面々

 

阿部寛と上戸彩

 

笹野高史も若かった

 

自動販売機のポスター

 

 

 

 

昨日の晩9時ごろの出来事です。

何者かが私の部屋の戸をコンコンとノックします。

出てみると、隣の部屋の住人です。

『私は明日帰るのですが、最後に一緒にお風呂に入りませんか?』

と言うではありませんか!

 

実は昨日、この若者がチェックインする時から、私はロビーでPCを操作しながらその様子を見ていました。

"おかっぱ"頭の髪形と体形、身のこなし等から、私はてっきり女性がやって来たのだとばかり思っていましたが、フロントで遣り取りする声を聴くと男性のようです。

不思議な人だな…ひょっとしてトランスジェンダーか?と印象に残っていました。

 

キッチンや廊下ですれ違う度に軽く挨拶はしていましたが、まさか夜遅くに『一緒にお風呂に入りませんか』と誘われるとは思ってもみなかったので、正直『来たか!』と面喰いました。

しかし断る理由もありません。寝る前にひと風呂浴びるのも悪くない・・・と思い直し、『よし、行こうか!』と一緒に露天風呂に向かいました。

 

漆黒の闇に包まれた露天風呂には、まだ霧雨が降っていました。

彼の名は「I]さん。彼が言うところによると、私がいかにもマイペースで湯治生活を楽しんでいる様子なので、どんな人かと興味がわいたそうです。

かれこれ15分程湯に浸かりながら会話した後、何事も無く部屋に戻り就寝しました。

そして翌朝、キッチンで撮影したのがこの写真です。

おかっぱは後ろで結んでる?

話しをしてみるとなかなか礼儀正しい好青年でした。

 

 

この宿は、じっくりディテールを観察すると色々な発見があります。

打たせ湯入口の剣(神器?)

 

趣あるランプ

 

翁の面

 

媼の面

 

古風な火鉢

昨晩ここでTVを見ていたら、マルが🐭か何かを咥えてやってきました。ここまで来てニャンと鳴こうとして取り逃がしたようで、マルは残念そうに🐭が逃げ込んだ火鉢の周りをいつまでも見張っていました。

 

 

マルはいつも丸くなって寝てます

 

 

 

この宿で自炊した料理のご紹介。ウッカリ撮り忘れたものもあります…。

 

アジの干物と鯖缶・味噌汁

 

豚カツとみそ汁

 

ステーキとみそ汁

 

アジの干物と納豆・サラダ

 

肉野菜炒めとルッコラのサラダ

 

イカ墨のパスタ(レトルト)

 

エビとトマトクリームのパスタ(レトルト)

 

いずれも男料理ですので見栄えが悪いのはご愛嬌。しかし味はなかなかのものです。

 

 

 

今日は天気が良かったので、散歩がてら「駒留の滝」を眺めてきました。

観漠台から遠くに望むだけですが、望遠で撮ると綺麗に撮れました。

 

秋の紅葉の頃はこんな景色になるようです。  また秋に来ようかな…。

 

天気が良かったので、道中の見晴しも結構でした。

 

ということで、今回の湯治体験のレポートはお終いです。
これからまたひと風呂浴びて、夕食を食べ、明日はゆっくり帰宅します。
家内も夕方には帰国する予定です。