2023.2.6

 

Marriott Vacation Club 

販売説明会の顛末(その2)

 

契約担当者(Mさん)との契約手続きが開始されました。

 

先ず、私専用の契約書類を作成するのに先立って、頭金$1,476(141,880円)のクレジット決済書類にサインを求められ、サインしました。
残金の支払い時期を聞かれ、いつでもOKの旨回答しました。

残金の額は、購入金額から頭金を差し引いた金額だと思っていたのですが、それに別途登記費用$573.7が必要となるとのことでした。

 

私は「エッ、それは説明にありませんでしたよ。ギリギリで購入しようかどうか迷っていたのに、購入代金の他に$573.7(75,000円)が必要となるのですか。購入意欲が急に萎えてしまいました。」と言って考え直す時間をくれるよう依頼しました。

私はこのようにズルズルと具合の悪いことを後出しで提示してくるやり方が一番嫌いなのです。

 

しかし冷静に考えてみると、それでもトータルで200万円を切る価格です。

僅か75,000円程度のことで話をご破算にするのも大人げないと思い、手続きを進めて貰うことにしました。

 

ここで契約担当者は、私専用の契約書類を作成するために一旦自分の席に戻りました。

 

Cさんは、「契約書作成に30分ほど時間がかかりますので、下の売店でお土産などの買い物をされてきては如何ですか?」と言って、説明会参加者に謝礼として渡される、このリゾート内のみで使える$25のバウチャーと、リゾート外でも使える$100のクレジットカードを渡してくれました。

 

言われた通りリゾート内の売店を覗いてみましたが、$25で買える目ぼしいものがありませんでしたので、とりあえず何も買わずにオフィスに戻りました。

 

 

オフィスに戻ると私用の契約書類は完成しており、1枚1枚説明を受けながら指定された箇所に素直にサインをしてゆきました。

すると、ある契約書のところで、「これはアメリカ人に関係する事項で矢野様には関係ない書類ですが、一応サインをお願いします。」と言います。

関係ないのにサインしろというのはおかしいな?と思い「この書類は何ですか?」と尋ねると、「マリオット系列以外のホテルやリゾートを利用する場合は、インターバル・インターナショナル社(略してII社)を通してポイント交換をしないといけないのですが、米国人の場合には1回に$230程の手数料がかかるということを確認する書類です。矢野様は日本の方なので関係ありません。」と言います。

私は「???」と思い、さらに突っ込んで「日本人の私がマリオットの系列外の施設を利用するためにII社を通してポイント交換する場合には幾らの手数料がかかるのですか?」と訊くと、「日本人の場合には$170かかります。」というではありませんか。私は思わず「エー!聞いてないよー!」と今流行りのコマーシャルのようなセリフを口にしてしまいました。隣でそのやり取りを聞いていた営業担当のCさんは、「矢野様の場合にはII社を利用されることはないと思いますので関係ありません。」と重ねて言います。

私は「ちょっと待ってください。こんな手数料がかかることは説明されていませんし、私の場合はハワイのこのコオリナリゾートなどは2~3回も使えば飽きてしまうだろうから、ヨーロッパ旅行の際に利用する可能性が高いことは申し上げていた筈です。しかもヨーロッパにはマリオット系列の施設は極めて少ないことから、II社を通してポイント交換して他系列の施設を利用せざるを得ない可能性が高くなることは明らかです。そのことを知りながらII社の手数料についての説明が無いばかりか『矢野様には関係ない条項です。』とスルーさせようとする姿勢には強い不信感を抱かざるを得ません。1回のポイント交換毎に2万円以上の手数料がかかるなら、このクラブ会員になる魅力は大幅に低下してしまいます。」と言ってサインの手を止めました。

普通の人だったら、そのように言われれば「そうかな…」と思ってサインをしてしまうところかもしれませんが、私はこの手のやり方が一番嫌いなのです。

 

そして暫く目を瞑って考えた結果、「契約は止めます!」と宣言しました。

MさんやCさんは、「これは決まりですのでII社の手数料はどうしても必要になってしまいます。」と説得しようとしましたが、私の気持ちを翻意させるに足る説明はありませんでした。敢えて突っ込むことはしませんでしたが、米国人の場合の書類にサインさせて、日本人の場合の書類が提示すらされないのは何故だか理解に苦しみます。

 

MさんCさんは、私の決意が固いとみて「分かりました。そういうことであれば契約は取り消させていただきます。」と了承してくださいました。

 

 

その時点で17時50分。帰りのバスが出る時間にはギリギリ間に合う時間です。

タクシーをキャンセルしていただいて、皆さんと一緒にバスで帰ることにしました。

頂いた$25のバウチャーと$100のクレジットをお返ししようとしましたが、「それは契約するしないに拘わらず説明会への参加の謝礼として皆さんにお渡ししているものなのでお使いください。」ということで、お手数をおかけした上に土壇場でキャンセルしてしまったことを重ね重ねお詫びしながらリゾートを後にしました。

 

バスの中ではTさんに事の顛末を報告して大いに盛り上がりました。
バスの中で落ち着いて考えていると、肩の荷がスーッと軽くなった自分に気が付きました。「あー、止めてよかった!」とつくづく思った次第です。
その理由は…、

 

①ハワイのコオリナリゾートを利用している分には使い勝手が良いですが、数年通えば飽きてきて、1泊4万円以上にも相当するこのような施設に泊まらなくてもいいや…という気持ちになると思います。

②ヨーロッパ旅行で利用できれば魅力的ですが、マリオット系列の施設は非常に少なく、私が行きたい"片田舎"の近くには存在しません。施設を利用するには態々大きく迂回して立ち寄る必要があり、飛行機代や交通費が多くかかります。それに加えてII社の手数料が加算されるとなると、そこまでしてこの制度を利用する魅力はなくなります。むしろ自分が行きたい場所の近くにある高級ホテル等をBooking.comで予約した方がずっと自由で安く泊まれる筈です。

 

 

バスをワイキキ中心部で降ろしてもらい、ホトボリを冷ましながらいつもの駐車場まで歩きました。

夕陽はバスの中で沈んでしまった

 

 

 

歩きながら家内に感想を聞いてみると、「ああいう条件が後から出てきた時点で、ダメだなと思いました。あなたはそういうのがとても嫌いですからね。それにあなたの旅行スタイルには今回のような制度はマッチしていないと思うわ。」と的確なコメントを述べます。

私は「そうだな。今回は期待をさせて悪かったけど、今後は少しグレードの高いラグジュアリーな宿を組み込みながら旅行を計画するようにするからね。」等と話しながら、「あー、止めてよかったー!」を何回も繰り返し口にしました。

 

 

これは後で調べて判ったことですが、もし会員になった場合には、様々なお知らせや関係書類は全て英文で送られてくるばかりか、制度そのものが極めて複雑でその全貌を理解するためには相当な努力が必要であり、「問い合わせ」も東南アジアの国にあるカスタマーサービスに一々電話(フリーダイヤル・日本語可)で行う必要があると知り、相当面倒臭いことになったようです。しかも、問題の年会費や管理費が毎年相当な上げ幅で値上げされてきている事実も分かりました。

 

やはり、Kさんが前回の記事のコメントで仰っていた通り、「貧乏人は普通に借りて、行きたいときに、自由にに行くのが一番」だと思いました。    (顛末記 お終い)