2022.7.11
部屋からのスケッチ &
ここに来てからの料理のご紹介
今日は昨日の疲れが溜まっていたので、部屋から1歩も出ずに過ごしました。
そもそもマルチェージネ広しといえども景色はこの部屋からの眺めが一番良いですし、ジャグジーや気持ちの良いテラスもあります。 ここに居ればいつでも好きな時に横になったり飲んだり食べたり出来ますので、観光のための外出や、スーパーへの買い出しが無い限り、外に出かける必要もないし、≪心臓破りの坂≫のせいでその意欲も湧かないのです。
いつも食事をする時は、お隣さんの視線が気になるので、テーブルと椅子を室内に運び入れているのですが、今日はお隣さんがベランダに出ていなかったので、テーブルと椅子を元に戻して朝食を取りました。
すると目の前のスカリジェリ城が朝日を浴びて、いつもよりとても美しく輝いて見えたので、絵を描くモチベーションがムラムラと湧いて来ました。
ベランダのテーブルにスケッチブックを広げ真剣に取り組んでいると、お隣の老夫婦がベランダに出てきて、穏やかに話しかけてきました。
彼らはオーストリアから毎夏、暖かさを求めてガルダ湖にやって来るそうで、今年で13回目になるそうです。 避寒のためにここにきている我々と目的が真逆なのには驚きです。
ガルダ湖のお気に入りの場所について情報交換したり、オーストリアで行ったことのある地名を挙げて会話を盛り上げ、暫しコミュニケーションを図りました。
奥様の方が少し英語が話せますが、ご主人の方はサッパリのようでした
二人は我々より年上に見えますが、実際は年下に違いありません。 欧米の方は実年齢より相当老けて見える人が多いですから。
かれこれ1時間でペン画が出来上がったので家内に見せると、「うーん、いつもながらアンタの絵はチマチマッとしていて、ホワーっとした広がりが感じられないのよね。アタシは素人ですから絵のことは判りませんけどネッ。」といつもと同じ酷評を受けてしまいました。
チマチマしているのは私の性分なのでどうしようもありません。
時間が有ったので、気を取り直して彩色を施してみることにしました。
「やめた方が良いんじゃない。いつもアンタは色を塗ると失敗するから…」と家内が厳しい言葉で追い打ちをかけてきますが、めげずに絵の具を取り出して塗ってみました。
濃くなり過ぎないように注意しながら、薄め薄めに塗っていきました。
手前のお城や建物の彩色を終え、対岸の山の彩色に取り掛かろうとしたとき、陽が真上に来て光線の加減が変わってしまっていることに気が付きました。 真上から太陽が照ると、陰影が消えてしまい、迫力の乏しいのっぺりとした景色になってしまうのです。
ここでひとまず筆をおいて、続きは明日の朝描くことにしました。
絵を描いている間は至福の時間ですが、結構疲れるものです。
上手くいかない時は猶のことです。
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今日は他にブログに書くテーマがないので、ここに来てから作った料理をご紹介させていただこうと思います。
私は旅に出ると、朝・昼・晩、全ての食事を私が調理します。
スーパーでその土地の食材を買ってきて調理するのは、私にとって旅の醍醐味の一つです。
(日本にいる時は、3食を家内が作り、私は洗い物担当です。家内は冷蔵庫の有り合わせの物で調理する名人で、味もなかなか美味しいです。)
最初に料理を開始したのは、ここに着いた翌日すなわち4日の朝食からです。
4日の朝食はステーキでした。 朝から無性に肉が食いたくなったのです。
食いたい時に食いたい物を食う主義です。 それでいて夫婦の意見が一致するから不思議です。
片面ずつ、返しは一度だけ。一発で決めます。
4日の夕飯は、生ハムとルッコラとパンにしました。 朝・夕が逆転したようなメニューです。
5日の朝は、昨日買ったムール貝です。
ムール貝は下処理がやや面倒です。 即死いや足糸と呼ばれるヒゲを取り除き、殻に付いている汚れを落とさねばならないのです。
家内はキッチンで、私は洗面台でこの作業を行います。 この作業をする時は、お互いに食べたい一心で、息がピッタリ合うから現金なものです。
刻んだニンニクと白ワインをたっぷりかけて、一煮立ちしたら出来上がりです。
食べても食べてもまだあります。 付け合わせにジャガイモと人参を茹でてみました
レストランではこれの何分の一しか出てきませんし、値段はこの何倍もしますから、外で食べる気がしません。
5日の夕飯は、鶏モモのグリルでした。
このアパートには電子レンジくらいの大きさの簡易オーブンがあるのですが、とても具合が良く、コンガリキツネ色に焼き上がりました。
6日の朝食はサラミと玉子焼、ルッコラとトマトのサラダ、梅干しと柴漬けでした。
6日の晩飯は、抜きでした。
バルド山に登って疲れたのと、お腹があまり空いていなかったので、早く寝ちゃったのです。
7日の朝食は、またしてもムール貝でした。
全く同じ内容ですので、詳細説明は割愛します。
この日は疲れを癒すため終日アパートの中で過ごした日です。
7日の夕食は、丸鶏のローストにチャレンジしてみました。 生まれて初めての調理です。
色々な作り方があると思うのですが、自分の直感に従い自己流に徹してみました。
私の場合、先ずパエリアを作り、それを鶏のお腹に詰めていきます。
パエリアはプロバンスのハーブとローリエを強めに使い、さらにアパートの庭から採ってきたローズマリーの小枝をお腹の中に一本差し込みました。
首の穴からもパエリアを詰め、穴を糸で縫い合わせます。 外科手術の要領です。
鶏の上にもローズマリーの枝を2本乗せてオーブンに入れ、180℃で40分ぐらいかけてじっくり火を通します。
途中で受け皿に落ちた油をスプーンで掛け回し、裏返して反対側も焼くと、中まで火が通って上々の出来となりました。 皮はパリパリ、中身はジューシーで旨かったです!
8日の朝は、モッツアレラ・チーズと生ハム、トマトとルッコラとポテト、そしてリゾットです。
本物の水牛のモッツァレラはクリーミーで感激の旨さです。 豪華な朝食でした。
この日は、対岸のリモーネを訪ねた日でした。
8日の夕食は、珍しくレストラン≪スカリジェリ≫で外食をしたので調理は無しです。
9日の朝食は、間違って買ってしまった冷凍ムール貝を使って、シーフードパスタを作りました。 半分を使いましたが、ムール貝たっぷりのパスタとなりました。
9日の夕食は、素麺にしました。 サッパリと食べたくなったのです。
10日の朝食はまたしてもムール貝を食べ、加えてキノコのパスタを作って食べました。
ムール貝はこれで3回目です。
スーパーで生のキノコ類を探したのですが、季節的な理由からか見当たらず、試しに大きな瓶詰めのキノコを買ってみたのです。 色々な種類のキノコがオイル漬けになっていて、これが意外とイケるのでした。 何でも試してみるものですなー。
10日の夕食は、ポーク・リブのグリルにしました。
160℃の低温にセットしたオーブンで、40分ほど焼くといい感じに焼き上がりました。
これを手掴みで齧り付きます。 レストランではこんな食べ方は出来ません。
11日の朝食は、サーモンのムニエルを作りました。
サーモンは、馬蹄形をした分厚い輪切りの状態で売っています。
一切れの重さを確認するのを忘れましたが、ズッシリト重かったです。
一切れが830円ですので、食材の中では結構高い方です。
我々は、一切れを半分ずつ食べます。 それに納豆のオムレツと茹でた人参とルッコラ。
カップの中身は味噌汁です。 ご飯はヒジキとワカメ入りのお粥です。
11日の晩飯は、ボロネーゼ、つまり ミートソース・スパゲッティにしました。
先日仕込んで冷凍しておいたハンバーグを利用したものです。
ケチャップ、トンカツソース、マヨネーズ、赤ワイン、ローリエ、プロバンスのハーブ、ニンニク、胡椒で味を調え、チーズを削りかけると本場ボローニアのスパゲッティに勝るとも劣らない味に仕上がりました。
パスタを食べていると、働き者のロレンツォが庭の芝刈りを始めました。
丁度よいので彼の仕事が一段落した頃合いを見計らって、このアパートの支払い方法について確認し、明後日のチェックアウトに際してバス停まで送ってくれるよう頼んでみました。
お金のことは妹のキアラChiraが取り仕切っているとみえ、彼はキアラに電話して私に代わってくれました。 キアラは英語が流暢で、ハキハキして聡明そうな明るい女性でした。
支払については明日の朝9:00に彼女が我々の部屋に来てくれることになりました。
また明後日には、9時半に彼女が運転して我々をバスターミナルまで送ってくれることになりました。
・・・ ★ ・・・
翌朝9時にキアラが我々の部屋のドアをノックしました。
支払方法は現金かカードかと聞くので、カードを希望しました。
すると、オーソライズの機械が上階の彼女の両親の家にあるので一緒に行くことになりました。
大きなアパートのワンフロア全部がご両親の居宅になっていて、広いリビングルームからは
我々の部屋からの眺め以上に迫力のあるパノラマが望めました。
キアラのお嬢さん‟ソフィア”と母親の‟ソニア”もいました。
ソフィアはお母さん似の大変可愛い女の子です。
皆で写真を撮りたかったのですが、今日はこれからバルド山に登るそうでしたので、支払いを済ませると早々に失礼しました。
このアパートの建物は、ご両親が18年前に建てたものだそうです。
家族みんなが力を合わせて両親が建てた大きなアパートの経営を手伝い、自分たちもそれぞれしっかりと生計を立てている。
理想的なファミリーを見る思いがしました。