2022.6.6
西への一人旅 (別府温泉編)
一晩お世話になった「キッチン&ロッジ NenRin」の奥様に、書き上げた昨日のブログを紹介し、これだけの内容の宿ならもっと高級路線で攻めても良いのではないか?と話し、名称も「Auberge(オーベルジュ) キッチン&ロッジ NenRin」に変更するよう余計な提案をしました。
宿をチェックアウトする頃には、朝方まで残っていた雨も徐々に上がり、所々に青空が顔を覗かせ始めたので、昨日真っ白な霧の中を走って何も見えなかった「阿蘇・くじゅう国立公園」の中をもう一度走ってみることにしました。 ここで悔いを残すと、また宿題が増え、もう一度阿蘇を訪ねなければならなくなると思ったからです。
まだまだスッキリとはしませんが、昨日に比べればまだマシです。
ゆるやかに波打ちながら広がる新緑の平原の中を走るのは気持ちのいいものでした。
暫らく走ると、写真のような売店が出ていました。
トウモロコシを売っているようです。
「生で食べても美味しいんですよ」と試食させてくれたので食べてみると、確かに甘くて瑞々しくて美味しいです。
店先では家族総出でトウモロコシをパッキングし、地方発送の作業をしていました。 遠くから、送料を払ってでも注文が来るくらい美味しいようです。
そこへ珍しいクラシックカーに乗ったご夫婦が、トウモロコシを買いに来られました。 聞くと、いつもここへ来た時には買って帰るそうで、「トウモロコシご飯にして食べると美味しいのよ」と作り方まで写真を見せながら教えて下さいました。
私も1パック衝動買いしてしまいました。
ここから引き返して、今日の宿泊地、別府を目指します。
ナビが示す細い山道に分け入りながら、下ってゆくと、遥か向こうに海が見え始めました。
別府湾です。
今日の宿、「ゲストハウス路地裏」は別府駅のすぐ近くにあります。
16時からチェックインが可能で、今はスタッフもいないようなので、駐車場に車を停めて昼食と市内見物に出かけました。
別府駅前にはヘンな銅像があります。
台座には「子供たちを愛した ピカピカのおじさん」と意味不明なことが掛かれています。
台座の後ろに回って説明書きを読んで、何となく理解が出来ました。
このおじさんは油屋熊八という実業家で、今から90年以上前に別府や湯布院を観光地として開拓し、日本で初めてバスガイドを導入して「地獄めぐり観光バス」を大成功させた人物だそうです。 彼は奇抜なアイディアの持ち主で、全国に別府をPRする手段として、富士山の山頂に「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」というキャッチフレーズを書いた大きな標柱を建てたり、温泉マークを別府温泉のシンボルマークとして一般に広めたり、大阪の上空から飛行機でビラをまいたり、したそうです。
銅像のユニークな格好は、彼が子ども好きで、童話や歌、演奏を聞かせたり、子供たちを楽しませるために度肝を抜くようなイベントをやってみたりしたことに因んで、天国から舞い降りてきた熊八さんが「やあ!」と呼び掛けているイメージで制作されたものだそうです。
別府市内には、何となく 「昭和レトロ」 な感じが漂います。
街中を通り過ぎると別府湾に出ました。
別府湾の風景をビデオに撮ってみました。
さあ、せっかく別府に来たのですから、宿に入る前に温泉に浸かりたいものです。
別府温泉のパンフレットを見てみると、訪ねたい温泉がいくつも紹介されていました。
「明礬湯の里」は白濁した酸性硫黄泉で広々とした露天風呂が魅力です。
「鉄輪(カンナワ)むし湯」は石室に敷かれた石菖(セキショウ)という薬草の上に寝る風呂です。
「竹瓦温泉」は歴史ある古い温泉で、情緒ある建物が魅力的です。
「駅前高等温泉」は別府駅前にある昭和レトロな洋館風建物の共同浴場です。
いろいろ検討した結果、鹿児島の指宿温泉で砂湯に入るのを割愛してしまった代わりとして、別府湾のビーチで砂湯を経験してみることにしました。
車で10分ほど走ったところにある「別府海浜砂湯」です。
受付で1500円を払って券を買うと、番号札を渡されます。
暫らく休憩所で待っていると、番号が呼ばれます。10人ほどの番号が呼ばれましたので、時間による入れ替え制のようです。
ロッカールーム(有料100円)で浴衣に着替え、砂場に向かいます。
砂場は思ったより狭く、ビーチでの砂湯というより、公園の砂場での砂湯という感じです。
「砂かけさん」と呼ばれる女性の指示に従ってスマホをワゴンの引き出しに入れ、指定された場所にいきます。
慣れたスコップ捌きで砂をならして「はいどうぞ」。
横になると、砂を足元からバンバンかけてきます。
「温度は如何ですか」と聞きながら、胸から首の方までかけます。
砂はズッシリと重く、身体全体が締め付けられるような圧迫感があります。
温度は私好みの比較的高温で、汗が噴き出してきます。
血圧を測る時のような圧迫感を全身で感じ、全身の血管がドクドクと脈打つのが感じられます。
砂をかけ終わると、砂かけさんは私のスマホを取り出して、色々な角度からパシャパシャと写真を撮ってくれます。 マスクを外せないのが残念です。
15分経つと「はいお時間です。お疲れ様でした。」と追い立てられます。
シャワーを浴びて砂を落とし、お風呂に浸かります。
汗が静まるのを待って、車で宿に向かいました。
「ゲストハウス 路地裏」というだけあって、本当に狭い路地を入ったところにあります。
内部はとてもきれいに出来ています。
私は、今回は個室をとりました。 2段ベットがある個室です。
寝返りを打つと、木製のベッドがギシギシいいました。
今日の宿泊者は7名いるそうでしたが、皆さん引き籠っているのか、リビングでパソコンの作業しているのは私一人でした。
明日は、九州を後にして、広島県三次市までの長距離ドライブとなります。