2021.2.9
日々是好日
=日常点描=
2月に入ってからは本当に暖かい日が続き、暑からず寒からずの爽やかな気候が身体に心地良いです。 この時期の宮古島での生活はとても気に入っています。
こうした日々の何気ない出来事を拾ってみたいと思います。
≪フロントの女の子≫
我々が滞在しているコンドミニアム「ウエルネス・ヴィラ・ブリッサ」には1階にフロントがあって、感じの良いスタッフが常駐しています。
中でも私のお気に入りの女の子が「Kさん」です。
とても明るくて聡明で気が利く可愛い女性です。
一緒に写真を撮りたいと申し入れると「喜んで!」と快く応じてくれました。
マスクを外した顔を始めて見ましたが、やっぱり可愛かった!
「東京に来たことはあるの?」と聞いたら、「実は実家が東京なんです。」だって!
「ホントー! で、何処?」と聞いたら、ちょっと恥ずかしそうに「渋谷区です。」だって!
「おー、渋谷は詳しいよ。どの辺なの?」としつこく聞くと、「松濤なんです。」だってサ!
どうりで垢抜けしてると思ったわ。恐れ入りました!
≪宮古島の鮪は旨い!≫
余り美味しいものに出くわさない宮古島ですが、鮪だけは旨いです。
意外と穴場なのが「ドン・キホーテ」の鮮魚売り場。
テカテカに脂の乗った旨そうなトロを“刺身”や“握り”で売っています。
最近は顔馴染みになって、店先に並んでいなくても特注して造って貰っています。
“厳選!極み本まぐろ握り”と謳うだけあって納得の逸品です。
20貫で2,100円。 この味、この厚み、この価格、スシローも敵いません!
≪砂山ビーチ≫
土地の所有者であるリゾート会社とその開発を請負う三菱地所の画策によって、人気の撮影スポットの前に無粋な柵が設置されてしまったという砂山ビーチのアーチ岩。
怖いもの見たさで行ってみました。
道路の終点に駐車場が整備されており、そこから細い遊歩道が伸びています。
遊歩道はやがて砂丘となり、砂に足を取られながら登って下ると青い海が見えてきます。
問題のアーチ岩はビーチの左手にありました。 確かに無粋な柵が設置されています。
岩が剥落して危険だというのが柵を設置した理由のようですが、見たところ特に危険そうなところもなく、またその程度の危険な場所なら他に幾らでもありそうな感じで、単に将来の開発に備えて所有権の主張をしているにすぎないような気がしました。
≪人頭税石(にんとうぜいせき)≫
観光地図を見ると宮古の市街地に「人頭税石」があると紹介されていたので、砂山ビーチに行く途中に寄ってみました。
気が付かずに通り越してしまいそうな「人頭税石」。「賦計り(ぶばかり)石」ともいうらしい。
言い伝えによると、昔はこの石よりも背が高くなると過酷な人頭税を納めねばならなかったそう。
しかし実際には古くから伝わる石柱信仰と納税の苦しみとが相まって生じた言い伝えにすぎず、史実ではないらしいです。
≪日焼けの効用≫
天気の良い日はせっせとビーチに繰り出して日光浴に勤しんでいます。
ビーチに行くのが面倒くさい日は、部屋のベランダで寝転がったり、作業をしたりして日焼けを楽しんでいます。お陰でこんがり焼けてきました。
一般に紫外線を浴びることは皮膚がんやシミを誘発するリスクがあると有害視されていますが、そうとばかりは言えないようです。 あるウエブサイトによると…、
◉日焼けには次のような効能があります。
1.骨粗鬆症予防
骨粗鬆症の最大の原因はビタミンD不足。紫外線を浴びることで皮膚や肝臓に蓄えられたビタミンD2がビタミンD3に変えられます。ビタミンD3は食物から摂取したカルシウムを体内カルシウムに再生するのに必要です。体内カルシウムは骨格を作り、神経の伝達物質の役目をします。日焼けにより骨が丈夫になり、運動神経がよくなる効果が期待されます。
2.筋力、パフォーマンスUP
ビタミンD=ステロイドホルモンは体中の臓器細胞の核内受容体と結合し、200以上の遺伝子の発現と活性化を促します。 日焼けによって骨の組織成長や筋肉量の増加が期待され、運動神経や脳の集中力の向上に役立ちます。
3.免疫UP
日焼けにより生成されたビタミンDが免疫機能のコントロールセンターである腸に直接働きかけて、腸内環境を整え、免疫力をUP。日本で行われたビタミンD投与の臨床結果でインフルエンザ発症率が半分に減少。閉経後の女性に至っては風邪の発症率が90%も減少したと報告されています。またビタミンDは細胞内の遺伝子を納めた核に入り込んで、がん抑制遺伝子に直接働きかける効果も確認されています。
4.ストレス、うつ予防
紫外線を浴びると快楽ホルモン「βエンドルフィン」と、脳からの喜びホルモン「セロトニン」が分泌します。 これにより脳の機能が活性化し、自律神経が正常化され、1日のリズムが整えられて、うつ病や認知症の予防・改善に効果があります。
5.快眠効果
日光浴によってメラトニンの分泌が促進され、睡眠障害の改善効果が期待されます。
何だか日焼けは良いこと尽くめだなー、と思って、ウエブサイトの発行元をよく見たら、何と某「日焼けサロン」のHPでした。 チャン、チャン!
≪キャピキャピの人魚たち≫
宮古島の人は皆さん親切な方が多いです。
「ニモ」に会えるかもしれないと新城海岸(あらぐすくかいがん)を訪ねた時のことです。
シュノーケルセットを着けて沖の方から戻って来た女の子3人に、
「こんにちはー。 熱帯魚は見れたぁー?」と声をかけると、
「ハロ、ハロー!ウン居たよ!それにカメがムッチャおった!ヨンコ(四個)はおったわ!」
だって。
「どこから来たん?」
「東京から」
「それにしちゃメッチャ焼けとるやん! ここなんか禿げとる!」
というから、「ここがか?」と私の頭を指さすと、キャッキャと笑っていました。
暫らく立ち話をして別れようとすると、
「ほなオモッキリ楽しんでナー! バイバーイ!」
だって。
ニモには会えなかったけど、屈託のないキャピキャピの人魚に会えたのは嬉しかったな。
≪安物買いの銭失い≫
新城海岸からの帰り道に、○○食品と看板の出ている家が目に入りました。
入り口は閉まっていて営業しているのかどうか判断が付きません。
念のためと思って戸を開けてみると、薄暗い店内には色んなものが売られていました。
驚いたことに、ガラスのショーケースの上に段ボールが敷かれ、その上にカットした肉が無造作に積み上げられ、その向こうに店番のオバサンが頬杖をついて立っているではありませんか。
「これ何の肉?」と聞くと、オバサンはぶっきら棒に「豚」と答えます。
「新鮮なの?」と聞くと、オバサンは顎を杓って奥を指し「さっき解体したのを持ってきたばかりよ。」といいます。
奥ではご主人と思しきオジサンが電動ノコで骨を細かくカットしているところでした。
オバサンは肉の塊を素手で持ち上げ「これがヒレ。これがモモ。これがロース。」と説明し始めました。どれも見るからに新鮮そうで旨そうに見えます。
「100gいくら?」と聞くと「100円。」と答えます。
「どの部位でも同じ値段なの?」ときくと「そう。」と答えます。
私は嬉しくなって、「じゃ、このヒレと、モモ肉をちょうだい。」と衝動買いしました。
肉をそのまま直に秤に乗せると両方合わせて1,900g=1,900円でした。
私は内心『シメシメ、このオバサン物を知らないな。フィレ肉がモモと同じ100円なんて、超お買い得ジャン!』とほくそ笑んでいました。
同時に、ショーケースの下に並んでいた鮪の刺身のパックも新鮮そうでズッシリと量があるのに1,000円だというので衝動買いしました。
他にも、店先に並んでいた野菜やバナナを買いました。
最後に、別の棚に目をやると1㎏入りのピーナッツが650円と書いてあるのでこれも「安い!」と衝動買いしちゃいました。
家に帰って、さっそく鮪の刺身をいただきました。
赤身ですが新鮮でなかなか旨かったです。「これは安かったね!」と納得でした。
しかし、次に「ヒレカツ」も食べてみよう!と豚カツを揚げたところ、ベニヤ板のように硬くて歯が立ちません。 モモ肉の方も揚げてみましたが同じく革靴の底のような硬さです。
「やられた! あのオバサン物を知らないどころか知り尽くしていたんだ!」と後悔しても後の祭り。
食後にピーナッツで口直しをしようと食べてみると、「ニシッ!」と湿っぽくて歯応えが悪く、香ばしいピーナッツの香りもしません。 またやられた! 袋を見ると「中国産」と書いてあるのに気が付きました。 どーりで安い筈だ!
『安物買いの銭失い』とはよく言ったものです。
でも、その後、肉は玉葱を擂りおろしたものに漬け込んで一日置いてから、野菜と一緒に徹底的に長時間煮込んだところ、ようやく美味しく食べられるようになりました。
ピーナッツの方は、中国製なので、身体に悪い防腐剤や添加物が心配だったので、水で晒した上、更に何回も茹でこぼしたあと、スープの味をつけてコトコト気長に茹でてみたところ、なかなか旨い豆料理になりました。
フードロスが問題視される昨今、簡単に食材を諦めるわけにはいきません。
≪来年の物件探し≫
来年の冬は是非ともハワイに行けるようになって貰いたいものですが、万一行けない場合に備え、宮古島で理想の滞在先を探してみることにしました。
条件は、部屋からの見晴らしがよいこと、キッチンが広いこと、出来れば寝室が独立していてツインベッドがあること。等です。
ネットで色々調べたうえで、目ぼしい二つの物件を訪れてみました。
1軒目は「シティライフ宮古ラヴニール」というマンションタイプのコンドミニアムです。
1階に入っている「しゃぶ庵」さんで訪ねてみると、そのお店が管理事務所を兼ねていて、担当女性が親切に説明してくれたあと、8階にある2種類の部屋を見せてくれました。
我々は1ベッドルーム+LDKの広い方の部屋が間取りとしては気に入りましたが、窓からの眺めは、平良港のコンテナヤードと埠頭を望む景色で、眺望としてはイマイチでした。
2軒目は「シーサイドハウス・ニライ」という一戸建ての立派な邸宅です。
下地(しもじ)地区の住宅街にある白亜の邸宅を訪ねてインターホンをピンポンすると、何と滞在中のゲストのご夫妻が親切に対応してくださいました。
こちらのゲストさんは横浜在住の方で、もう十数年も宮古島で越冬生活をされているそうです。 (同じような生活スタイルをしている人がいるもんだなー!)
暫らく玄関先でお話を伺っていましたが、「どうぞ中をご覧いただいて結構ですよ。」と仰って下さり、1階の広々した天井の高いリビングルームと、2階のこれまた広々としたベッドルームを見せていただくことが出来ました。
1階のリビングからは、椰子や南国の植物が植えられた芝生の庭園が望め、2階の窓からは民家の屋根越しに遠く与那覇湾が望めました。
広いルーフテラスでは思う存分日光浴が出来ます。
住み心地はとてもよさそうですが、1月から3月一杯はこちらのご夫妻がリピートされることになっていますので、残念ながら我々が借りることはできません。
物件調査を終え、自分たちの部屋に戻ってみると、ややキッチンが狭いとはいうものの、窓からの眺めの美しさは抜群で、もし来年また宮古島に来ることになったら、やっぱりこの部屋が良いかな…と思うようになりました。 「住めば都」とはよく言ったものです。
以上、ささやかな日常点描でした。