2020年7月17日
日本の人口が6,000万人になる?!
今日の石垣島は、朝から荒天で、窓には横殴りの雨が打ち付け、周囲の景色は濃霧の中に沈んでいます。
こんな日には、TVのニュースを見ながら、
政府による的外れな “Go Toキャンペーン” のドタバタ劇に憤慨したり、
東京を中心としたコロナ感染者数の増大を憂えたり、
将棋も判らないのに藤井聡太氏の最年少棋聖タイトル獲得を称賛したり、
中国の香港政策に腹を立てたり、
九州から西・東日本を襲った集中豪雨被害に心を痛めたり、
同時に地球温暖化がもたらす保険会社の収支悪化を懸念したり、
米・中関係悪化の株価への影響を一喜一憂したり、
と精神的・肉体的によろしくない時間を過ごすことが多くなってしまいます。
そうした中で、つい先日発表された、『2100年までに日本の人口が半減し、6,000万人になる』という衝撃的な予測に、私は強い関心を持ちました。
何故なら、この予測が正しいとすると、「将来人口爆発により食糧危機が起きる」とするFAO(国連食糧農業機関)の主張は正しくないということになるかもしれないと思ったからです。
医学誌ランセットに掲載されたワシントン大学の研究チームの論文によると、世界の人口は今から44年後の2064年に97億3700万人でピークを迎え、その後、減少に転じ、2100年には87億9000万人になると予測されているそうです。
(筆者注:現在の世界人口は約77億人)
中でも、日本、タイ、スペインを含む23か国は、2017年から2100年までの間に人口が半減するとされ、中国も48%減少するとされているそうです。
このような報道が頭に引っかかっている時に、私が配信を受けている「Medical Tribune」というという医学専門の情報サイトに、この件に関する詳しい記事が掲載されました。
ご関心がおありになる方もおられるのではないかと思い、ここにそのURLを掲載いたします。⇒ https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0716531016/
ただ、従来の国連の予測と今回のワシントン大学研究チームの予測との間には、人口のピークを迎える時期に16年の誤差があり、2100年時点での人口予測に20億人の誤差があるとはいえ、大局的な傾向については双方が同様な予測結果を示していることは興味深いと思いました。
世界人口の増大が鈍化、2050年に97億人に達した後、 2100年頃に110億人で頭打ちか:国連報告書
https://www.unic.or.jp/news_press/info/33789/
この国連の報告書によると、
2019年から2050年にかけ、最も大幅な人口増加が起きると見られるのはインド、ナイジェリア、パキスタン、コンゴ民主共和国、エチオピア、タンザニア連合共和国、インドネシア、エジプト、米国(予測される人口増が多い順)の9カ国で、インドは2027年頃、中国を抜いて世界で最も人口が多い国になると予測されています。
ワシントン大学の研究チームによる2100年の人口予測は、国連の予測よりも大幅に低くなっていますが、これは「アフリカのサハラ砂漠より南の地域での出生率の低下スピードをより速く見積もっていることや、中国やインドでの合計特殊出生率をより低く予測していることによる」ということに起因するようです。
(要するに、『前提が違えば結論は違ってくる』ということのいい例ですね。)
また、SDGsの教育と避妊についての目標が達成された場合、人口はさらに減って62億9000万人になるとも言われています。
筆者注:SDGs=「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」
2017年に開催された「ダボス会議」でSDGsに取り組むことで1,200兆円を超える経済価値と、
3億8,000万人の雇用が創出されるという推計が発表され、世界中の関心が集まりました。
何れにしても、日本は将来、移民の積極的な受け入れによって生産年齢人口を確保することが必須となるようですが、そのためにも移民送出国に対する人材育成や経済支援など、戦略的な国際協力を積極的に推し進めていく必要があるように思われます。
こんな取り止めもないことを書いているうちに、石垣島の空は、少しずつ明るくなってきました。
追伸: さらに1時間後、雨に洗われたスッキリした景色が戻ってきました。
やっぱり青空はいいなー!