2020.2.20

 

ダイヤモンド・プリンセス号の
換気システムについて調べてみました。
 
 
「クルーズ船内の換気システムはどうなっているんだろう?」と以前から疑問に思っていました。
 
もし、船内の空気をフィルターで清浄化しながら循環させるシステムだったとしたら、直径約100nm(ナノメートル)(0.1μm)といわれる新型コロナウイルスは、フィルターの網の目を簡単に通り抜けてしまい、それこそ船内中にウイルスを攪拌しながらバラ撒いていることになると危惧したからです。
 
今回、岩田教授が、船内の感染防止対策の不備を告発したYoutubeを、自ら削除しなければならなくなったことを契機に、「果たして岩田教授が指摘していたような、クルーズ船内に、《ここは安全だ》と断言できる空間を確保することは可能だったのだろうか?」との疑問から、クルーズ船内の換気システムについて改めて調べてみた次第です。
 
 
その結果、意外と簡単に判りました。
 
検索すると直ぐに、ダイヤモンドプリンセス号の換気システムの設計に係わった三菱重工㈱と 長菱設計㈱の担当者が記述した「大型客船の 空調シス テ ム 設計につ い て の 紹介」と称するレポートが見つかったのです。 file:///C:/Users/

 

これを読むと、案の定、客室と公共スペースの換気は、それぞれ外気(新鮮空気)30%・50%と船内の空気70%・50%を混ぜて温度調節した上で循環させていることが判ります。 

 

そのレポートには次のようにあります。

 

 『客 船 は新 鮮 空 気量 (100 % ) を設 計 条件 とす る こ とが 多い が ,本船 に 代表 され る メ ガ 客船 に お い て は 省エ ネ対策 と して 新 鮮 空 気 を 一 部 取 り入 れ て 還 気 さ せ る こ とが 一 般 的 に な っ て い る 。 本船 の 新鮮空 気量 は キ ャ ビ ン ( 30 %),公 室 ・階段室 ( 50 % ) そ して 病 院 ・ギ ャ レ(調理室のこと:矢野注記) につ い て は 衛 生 と臭気対 策の た め に 100 % の 条件 で ある 』

  

今回、乗客乗員を船内に「隔離」する方針を決定した時点で、上記の換気システムを外気(新鮮空気)100%に切り替えたのでしょうか? もしそうでなければ、私が危惧した通り、船内全体にウイルスを撒き散らしていたことになります。

 

果たしてこのクルーズ船に、キャビン(客室)と公共スペースの換気を外気100%に切り替える機能は付いていたのでしょうか?

もし切り替えが出来たとしても、冷たい冬の外気を温めて供給することは可能だったのでしょうか?

そもそも厚労省の役人に、当初からそのような問題意識があったのでしょうか?

私にはとてもそのようには思えません。

 

 

もし、私の心配が的中しているのだとすれば、今日(2月20日)お亡くなりになったお二人の船内感染者には誠にお気の毒なことであり、そのほかのご存命の感染者方にとっても、まさに 人災だった というほかはないと思います。

 

 

このブログをほぼ書きあげた時点で、加藤厚労大臣が「岩田教授の記事は嘘だらけ」と言っていることを知りました。

果たしてそうなのだろうかと思って調べてみると、岩田教授が問題のYoutubeの中で引き合いに出していた「厚労省で働いている某氏」本人が(高山義浩氏という人物ですが)、ご自身のFBの中で反論している記事が目に止まりました。 それを読んで私が感じたのは、

①ああ、岩田教授が指摘していた内容は概ね事実だったんだな。

②それに対する高山氏の反論は、精神論にしか過ぎないな。

ということでした。

 

そして、高山氏がFBの記述の最後に次のように述べているのがとても気になりました。

『残念ながら、日本人は、危機に直面したときほど、危機そのものを直視せず、誰かを批判することに熱中し、責任論に没頭してしまう傾向があると感じています。』

 

このような気持ちでいる以上、反省からは程遠いように思いました。

 

今、SNSの巷では岩田教授の記事について、賛否両論が喧しく飛び交っているようです。

岩田教授の社会的地位や経歴が本件で不当に害されないように願うものです。

(なんとなく昔の自分と通ずるところがあるような気がして…)

 

我が国はどこぞの独裁国家とは違うと思いたいのですが、最近はどうも…。

 

これ以上書くと、私のブログも削除しなければならなくなりそうなので、この辺で。。