2019.9.3~5

 

カラ・ミヨールのビーチで

ヒューマン・ウオッチング

 

 

 

朝日が昇り、カラ・ミヨールでの第一日目が始まりました。

朝のうちはまだ雲が多かったです

 

毎朝 トラクターでビーチを整備してくれているようです。

 

いかにもリゾートっぽい眺めです。

読み方は何回訊いても覚えない

ドアのオブジェがありました

 

 

初日の9月2日は、曇りがちで、海の色も冴えないため、海岸沿いに散歩した後、スーパーマーケットで食材の買い出しをしてアパートに戻り、部屋でゆっくり過ごしました。

  

という訳で、ビーチには3日からデビューしました。

 

9月3日以降は晴天が続いたので、連日ビーチで日光浴して過ごしました。

 

9月に入っているというのに、ビーチに繰り出してくる観光客の多さにビックリ。

チョット油断してビーチに行くのが遅れると、もはやシートを広げる場所は無くなります。

それでも人々は、僅かな隙間を見つけて、シートを広げます。

 

この写真は3日目のもの

 

砂浜はあたかもアザラシやウミガラスの営巣地(コロニー)状態です。

 

ようやく大きく空いているスペースを見つけましたが、レスキュー隊員の監視塔の前で、立ち入り禁止でした。

 

監視塔の前は立ち入り禁止です

 

初日は出遅れてしまい、止む無く岩場の少し平らになった所を見つけて、シートとタオルを敷いて横になりました。


我々が横になった岩場です

 

 

二日目からは後れを取らないよう、朝の散歩の前にシートとタオルで場所取りをして、それから散歩に行って、朝食を済ませてビーチに行くようにしました。

 

それでも、我々が陣取った場所に行ってみると、我々の周りに、後から来た人たちがパラソルやタオルを広げ、過密状態になっています。

周囲の人々の話声があたかも耳元で喋られているかのように耳に響きます。特にオバサン連中の話し声や、子供の甲高い声、それに赤ちゃんの泣き声には閉口します。

 

この後、中央の空地も埋まりました

 

波打ち際から少しでも下がっていると、すかさず前に陣取られます。

ここでは眺望権は主張できません

しかし、すぐに潮が満ちて来て、この人たちは移動を余儀なくされました。

 

 

沖からビーチの様子を撮ってみました。

写真では分かり難いですが、ビーチは人・ひと・ヒト…で埋まっています。 

まるで湘南海岸を思わせるイモ洗い状態です。(湘南海岸の人にはゴメンナサイ)

我々は「サン・ヴィセンテ・デ・ラ・バルケラの静かなビーチが懐かしいねー。」と話し合いながら、大変失礼ですが、このビーチを「イモ洗い海岸」と名付けました。

沖から見るとビーチは人・人・人…

 

 

隣りのシートとの僅かな隙間を人が通ると、どうしても砂を跳ね上げるので、横になっていると顔に砂が掛かり、オチオチ寝ていられません。

しょうがないので起き上がって、それとなくヒューマン・ウオッチングをしていると、様々な人間模様が観察されて面白いです。

 

 

ある日こんな事がありました。

可愛い男の子を連れた顔立ちの整ったお母さんが、何を思ったか、椰子のパラソルの下に置いてあったデッキチェアーをズルズルと引き摺って、人々のシートの間を波打ち際の方に移動させ始めました。

シートとシートの隙間は、デッキチェアーの幅より狭く、シートが捲れ上がったり、置いてあった荷物が引っ掛かったりしました。

例えは不謹慎ですが、まるで京急の大型トラック踏切事故もどきです。

それでもお母さんは、何の声掛けもせず、ましてや「すみません」などというお詫びの言葉もなく、強い意志を顔面に顕わにして、ズンズン引き摺って前に出ました。

シートの上に寝ていたオバサンが驚いて起き上がり、シートや荷物を抑えましたが、だいぶ砂もかかったようです。 お母さんが何の謝罪もなくすました顔でソッポを向いているので、オバサンは憮然とした表情をしていました。  その気持ちはよく分かります。

 

しかもそのお母さんはもう一度戻って、今度は大きな乳母車を引っ張って来て、デッキチェアーの後ろに据えました。

デッキチェアーは今までいたオバサンのシートのすぐ左横前方に置かれ、乳母車がすぐ横に置かれた状況です。

気の毒に、オバサンは極めて眺めも居心地も悪い状態になってしまいました。

 

しかし、オバサンのこちら側にはまだ若干余裕のスペースがあります。

オバサンが少し右に移動してあげれば、お互いにゆとりを持ててハッピーになる状況にもかかわらず、オバサンは口を真一文字に結び、鋭い目を座らせて虚空を睨み、「何があっても絶対に場所は譲らないわよ!」という固い決意を全身に漲らせて座り続けていました。

 

私はこの光景を見て、隣国との領土争いを繰り返し、肉親の血を犠牲にして侵略と防衛を繰り返してきた欧米人の領土への拘りを見る思いがしました。

                   (後で判ったことですが、二人ともドイツ語を話していました。)

 

ところがしばらくすると、パラソルとデッキチェアを管理するスタッフがやって来て、お母さんに対し、「デッキチェアーを勝手に移動させてはダメ。パラソルの下で使うように。」と指導し、デッキチェアーを元の位置に戻させました。 これには溜飲が下がる思いでした。

さらに驚いたことには、お母さんは料金を支払っていなかったようで、お金も払わされていました。 これには我々も唖然。 思わず顔を見合わせてしまいました。

 

 

 

我々日本人は、「混んでいる時はお互い様」という譲り合いの意識があります。

例えば、我々のシートのすぐ上に家族連れがやって来てシートを敷き始めた時など、頭に砂をかけられても困りますので、ニッコリ笑って、シートを少し引き下げてスペースを空けてあげたりします。

ところが、譲られた方の両親は、チラッとこっちを見ただけで、ニコリとも有難うともいわず、無表情のままでした。     (彼らはドイツ語を話していました。)

その後も何回かシートをずらして場所を譲る事がありましたが、ニッコリ微笑んで「Thank you.」と言ってくれたのは英語を話すカップルだけでした。

 

 

 

私達は砂に神経質なのか、ビーチの砂の上に直接タオルを広げることには抵抗があります。 どうしても下にビニールシートを敷いて、その上にタオルを広げたくなります。

ところが見ていると、欧米人は構わずタオルを直接砂の上に敷いて寝転んでしまいます。

また、ある男性は、海から上がったばかりの砂まみれの足のまま、タオルの上に乗っかってしまいました。 当然タオルは砂まみれです。 人にもよると思いますが、欧米人には砂をあまり気にしない人が多いように思いました。

 

 

 

3日間連続でビーチで過ごしましたが、海水浴客でイモ洗い状態のビーチは、正直言って苦手です。 人混みの喧騒の中にいると、何だかこちらの神経までささくれ立ってきてしまうような感じで、リラックスできません。 

4日目の8月6日にはビーチに行くのはさすがにウンザリして、ちょうど天気も曇りがちであったのをいいことに、散歩とスーパーでの買い物を済ませた後は、アパートに引き籠って過ごしました。

 

海水は澄んでいるし、砂も綺麗、波も穏やかで、ビーチ自体は申し分ないし、街の雰囲気も良いのですが、観光客が多すぎるのは本当に残念なことです。 (そういう我々も観光客ですが…)

7・8月を北スペインで過ごした後の9月の一か月間を過ごす場所としては、ビルバオ空港から直行便で来れるマヨルカ島は、とても来易い便利な場所です。 ですから再来年以降は毎年、リャネス⇒サン・ヴィセンテ・デ・ラ・バルケラ⇒マヨルカ島 というルートで1か月づつ過ごすことに決めてしまっても良いくらいなのですが、アパートを取る場所としてはカラ・ミヨール以外に何処か良いビーチを探さなければなりません。

 

マヨルカ島には色々バラエティーに富んだ個性的なビーチが沢山あるようです。

実際に下見が出来る今回の滞在中に、再来年以降の理想的な「定住先」を見つけたいと思います。