2019.1.20

ハワイの太公望

目が覚めると、昨日の晩からヒューヒューと音を立てて吹き荒れていた風は嘘のように止んで、水平線は日の出前のサーモンピンクに染まり、薄紫の空には晴天の予兆が満ちていました。

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「今日は良い天気になりそうだ・・・」と、タッパーに飯と焼き豚と野菜を無造作に詰め込んだ簡単な弁当を携えて、昨日のMakai Reserch Pier に出かけました。

日曜日は10時からオープンのところ、15分前にはスタッフが来てゲートが解放されました。 
まだ釣人は3人くらいしかいません。

桟橋から海を覗き込むと、相変わらず魚の影は見えません。
撒餌を撒いてみましたが、餌は虚しく海中を漂っていくばかりで、魚影はウンでもスンでもありません。 ただ、風が穏やかで波が静かなことと、海水が透明度を取り戻しているのがせめてもの救いです。

魚に餌をやるより、人間様の方が先だ・・・ということで、弁当をムシャムシャ食べていると、東洋系の顔をした陽気な青年が
 「あなたが弁当を食べているところを写真に撮ってもいいですか?」
と聞いてきました。
「別に構わないけど…」
と答えると、青年は
「おお、良い写真だ!素晴らしい!」
などと見え透いたお世辞を言いながらパシパシとシャッターを切っていました。

写真を撮り終えるとその青年は「ローレンス」と名乗り、「ミッドウイーク(MidWeek)」という情報誌のシニア・フォトグラファーの肩書のある名刺を差し出しました。 
彼は「あなたの写真を載せるよ。」といいながら、幾つかの質問をして私の答えをメモしていました。 (「そんな写真載せたって意味ないじゃん」とは言わなかった。)

私も自分の手作り名刺を渡し、例によって「Nice to meet you.」の記念撮影をしました。  ローレンスはフィリピン系の2世だそうです。

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無料情報誌
MidWeekの
フォトグラファー
ローレンス

MidWeekは
毎週水曜日に発行される情報誌で、ホテルやスーパーなどに置いてあるそうです






今日は、釣れない釣りよりも、太公望よろしく、釣り糸を垂らしたまま読書に専念するつもりです。

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こうしているだけで至福の時間を感じます。







暫くすると、サヨリの群れが近付いてきたので、撒餌をしてサビキの仕掛けを投げ込むと、すぐに大きなサヨリが掛かりました。掛かると水面に跳ね上がります。

「おお!釣れたー!」と急いでリールを巻きあげたのですが、残念なことに途中で、バレてしまいました。

気を取り直してもう一度投げると、またすぐに大きなのが食いついて水面に撥ねます。

「今度こそ!」と慎重に引き寄せ、釣り上げようとした瞬間、桟橋のヘリに魚が当たって、獲物は海に落ちてしまいました。
見ると、ハリスの部分で切れてしまっていました。
逃がした魚は大きいと言いますが、本当に残念でした。

そして、その後も何度も仕掛けを投げてみましたが、サヨリの群れは去ってしまい、二度と桟橋に姿を見せることはありませんでした。

釣りは諦めて、また読書三昧に戻ります。
均等に日焼けするように、日光にお腹を向けたり背中を向けたり体勢を変えながら読書します。

暫くすると、他の釣人が大きめの魚を釣り上げたようです。
写真を撮らせてもらいました。 私の足くらいの大きさです。

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魚の名前は
モンツキアカヒメジ だと思います









夕方、キリの良いところで本を閉じ、周囲の釣人の釣果を覗きに行くと、中にはアジを1匹釣った人や、色鮮やかな熱帯魚を1匹釣った人などが散見されましたが、坊主の人が多かったようでした。 やっぱり釣りは難しいようです。

彼等が使っている餌は、イカやエビやマヒマヒのようでしたが、桟橋の下にいる魚たちは、それらに興味を示す素振りさえ見せず、悠然と泳いでいるだけです。

読者の皆さんに色々釣りのアドバイスを頂いたのに、腕が悪くてすみません。
タヒチやニューカレドニアでは面白いように釣れたんだけどなー。

ハワイの魚たちはスレているのかもね。