「とりあえず、シャンディーガフ…」

喉の渇きを潤すにはちょうどいいカクテルだ。
俺の言葉少なめな答えを聞き終わると、髪の長い女性は少し微笑みながら、カウンターへと歩き出した。

髪の長い女性の顔の確認はあとにして、改めて同席している女性の顔を確認した。


……
…………

俺は心の底からこう思った。

帰りたい…

この一言で全てを語らなくても分かって頂けるだろう。

「お待たせしました。」

俺のシャンディーガフが到着した…が、絶対に手が届かない位置に置かれいる。

この店の店員はアホなのか?
飲み物が無いのは俺だけだろ。

少しイラッとした表情を察したのか、先ほどの髪の長い女性がグラスを差し出してくれた。

「何を考えてるんだろうね…あの店員さん♪」

俺の心を読んだのか?と思いたくなるタイミングと同じ思い。

「では、改めて…乾杯♪」

後輩が頭に突き刺さる声でわめきだした。

「乾杯♪」

それぞれがグラスを重ねて飲み始めた。

俺は面倒くさそうに顔の前にグラスを差し出して無言で飲もうとした時…

「乾杯♪」

突然、キールの注がれたグラスが現れた。

髪の長い女性…

何が嬉しいのか、少し微笑んでいる。

面倒くさいが、とりあえずグラスを重ることにした。