今日は母の日。

これは、初めて阿部先生と出会った2年生のときの母の日のお話。


お母さんがいる子は赤いカーネーション、お母さんがいない子は白いカーネーション………誰が決めたのか、わたしは嫌いだ。

1年生のときも白いカーネーション組は何人かいた。
赤い組は当たり前のように「お母さんが喜んでくれますように!」と一生懸命折り紙を折る。
白い組は何となく「折れと言われたから折ってます」みたく、あんまりおもしろい時間じゃない。


2年生になって、母の日が近づいて、白い組のえっちゃんは「毎年折るんかい(-.-;)」とふて腐れ気味で座っていた。
阿部先生が教室に入ってきて、
「母の日はお母さんにありがとうを言う日です。みんな、ていねいに折ってね」
と、ひとりひとりに折り紙を配り始めた。

「あっ!」
えっちゃんは自分でもびっくりするくらいおっきな声をあげて、あわてて口をおさえた。


大抵の子の前には、赤い紙と緑の紙が置かれたのに、
えっちゃんたち白い組の子の前にも赤い紙と緑の紙があった。

「先生知らないのかな、えっちゃんちママいない……」


「さぁ、お母さんありがとうって思いながら、きれいに折るんだよ!」
先生はニコニコして言った。