少しして、近くにいたおじさんたちがあんまりな状況にびっくりして走ってきてくれた。

ひとりのおじさんはそばにあった棒切れでペロを追い払おうとしていた。

もうひとりのおじさんの手でやっと引き離されたわたしは
「大丈夫!もう大丈夫だからね」
という声で、どっと涙が出てきた。

「どこの犬だ?こんなでかい犬放し飼いにして、危ないなぁ」
おじさんたちがペロをシッシッしながら言った。

「もう悪さしないように、おじさんたちがお仕置きしてやるからね!」

若い方のおじさんが、さっき拾った棒切れでずっと「がぅがぅ!」していたペロを何度も何度も殴った。
ペロの声がすぐに「きゃんきゃん」に変わった。


「うちの犬です!わたしの犬なんです!叩くのやめてください!」
わたしは、泣きながらおじさんにしがみついた。

「遊んでいたんです!海好きだから、一緒に遊んでいたんです!叩かないでください!」


シャツも破られて、腕も血だらけのわたしが言ってもまったく説得力はなかったけど、
それでも、わたしはペロが泣くことの方が痛かった。


みっちゃんが戻ってきて、
「その子んちの犬です( ̄▽ ̄;)」
と証言してくれて、おじさんたちはやっと向こうへ行ってくれた。


わたしは横たわったペロのからだを撫で続けた。
両手では回らないくらいのからだをいつまでもさすりさすりし続けた。
ペロは「く~んく~ん」と言いながら、わたしの腕の血を舐めて、わたしの顔をやさしくやさしく舐めてくれた。