かなりの距離を歩き進め、ようやく避難先に到着した。すぐ奥には森が広がり、その先には山がそびえている。規模は中くらいで、ざっと20くらい家がありそうだ。ゲンさんは二人を呼びにいった。
「みなさん、ありがとうございます」
と「これくらい、なんてこと―」
「そのネタもういいです(笑)」
と「うわぁ、くじかれたww」
鳥「やられましたねww」
その直後、何かを調べていたバステンさんが話し始めた。
バ「ラッキーだね」
ソ「なにが?」
バ「いま、方位磁石でこの地点が拠点からどの方角にあたるか調べたけど、ここはちょうど、バックの山の向こう側に当たる」
ソ「もしかして、あの山が」
バ「そのとおり」
と「これで時間の問題は解消ってわけだ」
幸運だった。この村は拠点後方に点在していた村の一つだったのだ。まさかこんなところに二人がいたなんて、想像もできなかった。
「ムサシ!」
懐かしい声が後ろから響いてきた。振り返ると叔父と叔母が走って向かってきた。もう50代だからムリしなくてもいいのに、と思った。案の定、そばに来た時は二人とも息が上がっていた。
「叔父さん、叔母さん…」
「元気そう、だな。ちゃんと、やってるか」
「毎日、しっかり、食べて、る?」
「あのさ」
「なあに?」
「嬉しいのは分かるけど、自分の歳考えてよ…」
久しぶりの再会だったが、この発言に二人とも爆笑した。ともさん達も笑っている。
「相変わらずだな。その調子なら、問題ないだろう」
「あの人たちが、お仲間さん?」
「そう」
「…立派な人たちじゃないか」
叔父は元々、地方を転々と旅しながら行商をしていた。数多くの人と取引していた経験から、一目見ただけでその人の善し悪しが分かる。いわば超能力者だ。
「聞いたと思うが、私たちは別の地方へと行くことになった。だからもうお前には会えないと思っていたが、幸運にも、また顔を見ることができたな」
「元気そうな姿を見せてくれただけでも、叔母さんは嬉しいよ」
「ここで会わないで後悔することだけは、したくなかったからね」
それを聞いて、叔父はニッと笑った。
「お前ならこの先、しっかりとやっていけるだろう。だが精進だけは忘れるな。一つ一つ糧にしていけば、必ずお前の役に立つ」
「精進も大切だけど、仲間も大切にね。叔父さん「立派な人たち」なんてめったにいわないから、あなたはとても恵まれているのよ。まあ、言わなくてもわかっているでしょうけど」
「大丈夫。また話ができてよかった」
二人はそれを聞くと、ともさん達の正面に立った。