東洋医学の数千年に及ぶ「ツボ療法」は、肩こり・腰痛・ストレスなど、
日常の不快な症状(未病)の改善 と 健康増進(養生)に役立ちます。
ツボとは、体の不調やゆがみを、正常な状態に戻す「調整点」のことです。
東洋医学では、体を構成し循環している「気・血・水」という概念があり、
冷えの原因は、「気・血・水」の乱れによって起こると考えられています。
気が不足している、血がとどこおっている、水分がたまっているなど、
いくつかの状態が重なりあって、冷え(冷え性)が引き起こされています。
冷えも「万病の元」です。あなどってはいけません。
冷え性に効くツボ
A. 下 肢 ⇨ ①血 海 ②陰陵泉
③三陰交 ④復 溜 ⑤太 谿
⑥足三里 ⑦太 衝
B. 下腹部 ⇨ ⑧気 海 ⑨関 元 ⑩気 衝
C. 腰臀部 ⇨ ⑪志 室 ⑫次 髎
A. 下 肢
①血海(けっかい)
位置:膝関節の内側、膝の皿の上から親指の幅2本分上のツボ。
効果:冷え症、のぼせ、むくみ、頭痛、動悸など。
②陰陵泉(いんりょうせん)
位置:脛骨内側顆(むこうずね)、脛骨内側の骨際のくぼみ部分。
効果:冷え症、手足の冷え、腹痛、下痢、食欲不振など。
③三陰交(さんいんこう)
位置:下腿部の内くるぶしから4横指上の部分にあるツボ。
効果:女性の特効穴、冷え性、生理痛、膝の痛み、むくみ、不感症など。
④復溜(ふくりゅう)
位置:下腿部の内くるぶしから3横指上の部分にあるツボ。
効果:冷え性、手足のむくみ、生理痛、耳の痛み、歯の痛みなど。
⑤太谿(たいけい)
位置:下腿部の内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ部分。
効果:冷え性、こむら返り、立ちくらみ、めまい、頭痛など。
⑥足三里(あしさんり)
位置:脚関節の外側、膝の皿の下から4横指下の部分にあるツボ。
効果:無病長寿のツボ、冷え性、胃痛、頭痛、のぼせ、食欲不振など。
⑦太衝(たいしょう)
位置:足の親指(第1中足骨)と第2中足骨の間にあるツボ。
効果:冷え性、不眠症、腹痛、めまい、腰痛など。
B. 下腹部
⑧気海(きかい)
位置:おへそから親指の幅1本半分さがった所(丹田)のツボ。
効果:冷え性、生理痛、不妊症、精力減退、下痢など。
⑨関元(かんげん)
位置:おへそから親指の幅3本分さがった所(丹田)のツボ。
効果:冷え性、生理痛、不眠症、むくみ、胃炎など。
*気海と関元は、丹田(気のたまる場所)のツボです。
⑩気衝(きしょう)
位置:鼠径部、恥骨から親指の幅2本分外側にあるツボ。
効果:冷え性、不妊症、男女の生殖器系疾患など。
C. 腰臀部
⑪志室(ししつ)
位置:手を腰に当てた時、親指部分が触れる高さにあるツボ。
効果:冷え性、腰痛、足腰のしびれや痛み、疲労、不感症など。
⑫次髎(じりょう)
位置:おしりの骨盤中央仙骨部の2番目に触れるくぼみ部分にあるツボ。
効果:冷え性、腰痛、生理痛、頭痛、足のむくみなど。
ツボの押し方と注意点
写真を参考に、ツボの位置を確認して、その周辺を指で軽く押します。
最も感覚が敏感になっているところが、あなたにとってのツボになります。
ちょっと痛いけど気持ちいい!くらいの力加減でツボを刺激します。
ツボ押しは、力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸います。
ひと押し3~5秒を目安に、5~10回繰り返します。
左右対になっているツボは、左右同じように押しましょう。
1日3セットを基本に、動作はゆっくりと気持ちいい範囲で行ってください。
いつもと違う、症状が改善しない場合は、医療機関への早期受診が大切です。
冷え性対策
冷えの原因は、遺伝・疾患・生活習慣などさまざまな要因で、ホルモンの変動と
自律神経のバランスが崩れ、血流が滞り、全身に熱が送れなくなっている状態です。
冷えの改善には、生活習慣を見直し、体質改善を図り、基礎代謝を高めることです。
基礎代謝を高めることで、体の内部で熱をつくる働きが高まり、体全体が温まり冷
えの改善につながります。
①生活の見直し:不規則な生活リズムの改善 ⇨ 自律神経の改善
睡眠不足、夜型生活の改善
②食事の見直し:偏食の改善 ⇨ 体質改善と血流改善
体を温める食材を摂取、朝食抜きや塩分の摂取注意
③運動の見直し:適度な運動 ⇨ 基礎代謝と血流改善
定期的なツボ押し、ストレッチ、ウォーキングなど
冷えも万病の元(風は百病の長)、さまざまな病気を引き起こす原因です。
決して、たかが「冷え」と、あなどってはいけません。冷えは、肩こり・腰痛・
便秘・倦怠感などを引き起こす原因です。
冷えは、無理をせず、生活習慣を見直して、バランスの良い食事を摂り、適度な
運動を取り入れて、体質改善を図る(基礎代謝を高める)ことです。
ツボ押しで、あなたの「冷え」が改善しますように!
週刊はると
本内容は、2018年1月「ツボ情報:冷え性」掲載分を一部再編集し改題した。