山の大尉

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山の大尉は傷ついた
部下の山岳兵たちに
もう一度ここで逢いたいと
息たえだえにことづけた

 -2-
山岳兵はことづけた
靴がないので歩けない
「靴をはいてもはかんでも
山岳兵に逢いたい」と

 -3-
陽はさし昇る山の朝
山岳兵は訪れた
「大尉殿何の命令です
われらはここに着きました」

 -4-
「私の身体を五つに
切ることを命じます」
はじめの片はイタリア皇帝へ
部下の兵士の記念にと

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第二の片は連隊に
大尉であった記念にと
第三の片はわが母に
息子の兵の思い出に

 -6-
第四の片は愛人に
わが初恋の思い出に
最後の片は山々へ
ばらで山をおおうため

(イタリア民謡)