辻公園 北園克衛


秋の薔薇のそばで
犬が鳴く
雲が教会堂の上でちぎれる
銀杏の葉が浮浪者の頭を
黄金の兜(かぶと)のように光らせる
それはミュウズが
ホテルの蔭からのぞいている午後


  (詩集「ヴイナスの貝殻」の「秋の手帖」より)