齢(よわい) 丸山薫

津村信夫が逝く前に言つた
詩人に少年と老年の日はあつても
青春と壮年の時代はない と

この言葉は真(まこと)に近い
まこと 慌(あわただ)しくもわが老年の扉を叩いて
わが頭(かしら)に白銀の冠を置いて去つた少年よ
遠ざかりゆきしその笛のしらべよ

 (詩集「花の芯」より)