子どものとき、どういう経緯からか「こがね丸」という絵本を持っていました。牛や犬が脇差しと着流しで出て来る童話で、主人公のこがね丸(=日本犬)が困っている者を助け、次々に難題を解決するという内容でした。

高校のとき、現代国語の教科書末尾の文学史年表に、パグ 牛
1891年 作者巌谷小波 作品「こがね丸」とあり、とても驚きました。(ノ゚ο゚)ノ
それほどにも有名なお話だったのか...!いわやさざなみってどんな人なんだろう?


巌谷家は近江水口藩(滋賀県甲賀市水口 チューリップ➡️*たまたま「みなくち」には行ったことがあります)の藩医の家柄で、父は官途で栄達し、季雄(すえお=小波の本名)は裕福な家庭に育ったそうです。

小波の「こがね丸」は近代日本児童文学史を開く作品となったそうです。「花咲爺」や「桃太郎」など多くの民話を子ども向けに書き起し、また童謡「ふじの山」や「一寸法師」も彼の作詞だそうです。


 <ふじの山>
作詞者:巌谷小波
作曲者:不詳

あたまを雲の 上に出し
四方の山を 見おろして
かみなりさまを 下に聞く
ふじは日本一の山

青空高く そびえ立ち
からだに雪の着物着て
霞のすそを 遠く曳く
ふじは日本一の山

   富士山 晴れ 富士山 晴れ 富士山 晴れ 富士山 晴れ 富士山


 <一寸法師>
作詞者:巌谷小波
作曲者:田村虎蔵

指に足りない 一寸法師
小さい体に 大きなのぞみ
お椀の舟に 箸の櫂
  京へはるばる 上りゆく

京は三条の 大臣どのに
かかえられたる 一寸法師
法師 法師と お気に入り
  姫のお供で 清水へ

さても帰りの 清水坂に
鬼が一匹 あらわれいでて
くってかかれば その口へ
  法師たちまち 躍りこむ

針の太刀をば 逆手に持って
ちくりちくりと 腹中つけば
鬼は法師を 吐き出して
  一生懸命 逃げて行く

鬼が忘れた 打出の小槌
打てばふしぎや 一寸法師
ひと打ちごとに 背がのびて
  今はりっぱな 大男