栗の葉 西脇順三郎

豌豆(えんどう)の豆の花がさいて
眼が細くなつた
夜がきた
魚も僕も眠つた。
栗の葉のささやきの中に
Maud の声がする
ナイチンゲールがないて
夜があけてきた
僕の頭が大理石の上に薔薇の影となる。

 (詩集「Ambarvalia」より)