伊藤整に弟が何人かいることは、整の詩にも出て来るので知っていましたが、弟妹が実は10人もいたのでした。年譜で見ると次のようです。


長女 照(明治36年生まれ)
長男 整(明治38年生まれ)=本人
次男 博(明治40年生まれ)
三男 薫(明治42年生まれ)
次女 八重子(明治44年生まれ)
四男 実(大正元年生まれ)→養子に出る(大正4年頃)
三女 菊枝(大正3年生まれ)→養子に出る(大正3年)
五男 壽(大正4年生まれ)→11才で死去(大正15年)
六男 基(大正8年生まれ)
四女 優子(大正10年生まれ)
五女 一枝(大正12年生まれ)
七男 靖(大正14年生まれ)→4ヶ月で死去(大正14年)



驚き にっこり にっこり 整の詩を読むと、家の中で赤子が泣き叫んでいる情景がひんぱんに出て来るが、実際、整は二十歳を過ぎるまでたえず赤子の泣く声を聞きながら育ったのである。

小樽高商を卒業後、新設の小樽市中学校教諭となるが、すでに詩歌・小説を書き始めていて、詩作に没頭。東京商科大学入学を口実に家を出る準備を進め、貯金千円を姉照に預けて毎月三十円ずつの送金を頼み、上京したのであった。
     (曽根博義著 伝記「伊藤整」より)

スター という訳で、伊藤整は予想に違わず、家族に生活費を出していたのでした。