軍艦茉莉 安西冬衛 四

月はずるずる巴旦杏(はたんきょう)のやうに堕(お)ちた。夜陰がきた。そして「茉莉」が又錨地を変へるときがきた。「茉莉」は疫病のやうな夜色に、その艦首角(ラム)を廻しはじめたーーー

 (詩集「軍艦茉莉」より)



いちばん好きな詩人=西脇順三郎、外せない詩人=北園克衛、気になる詩人=村野四郎、その仲間の北川冬彦、竹中郁、安西冬衛。難解で面倒で、読まずに踏み込まずに来た安西冬衛の「軍艦茉莉」を読んでみました。そうか、こんな詩だったのか。確かに難解です。。。


安西冬衛(あんざいふゆえ)は1898年、奈良県奈良市出身。旧岸和田藩士の子として生まれる。1920年、父の赴任先であり当時日本の租借地であった大連に渡る。1921年、関節炎を患い右脚を切断、1924年、北川冬彦らと詩誌「亜」を大連で創刊する。(Wikipediaより)