家制度や家父長制が、家族や社会の安定をもたらし、それが国家体制の確立と産業化による経済の発展に寄与した。
家族の安定は 勤勉な労働者と忠実な軍人を
国家に提供するのに役立った。
(橘木俊詔 「男性という孤独な存在」
第2章 日本の結婚・家族の歴史 より)
『国家のための』家族であり、『国家のための』子どもなら、すべての家庭が崩壊しても、すべての家族が不安定になっても、ちっとも構わないのかも知れません。
厄介なのは国家のためだけの家族・子どもではあり得ず、個々人のための家族・子どもは、人によるでしょうが、そう簡単には捨てられないという点です。
大抵の事柄は、このように公私・表裏・相反する価値が絡み合っています。また、多くの問題が不可能性に導かれます。
すべての難民を救えば、人口が増え過ぎて、全体が破綻
してしまう。
乳児のうちに命を落とす不幸を食い止めると、人口が増
え過ぎて、人類が破滅する。