唄 立原道造
裸の小鳥と月あかり
郵便切手とうろこ雲
引出しの中にかたつむり
影の上にはふうりんさう
太陽と彼の帆前船(ほまへせん)
黒ん坊と彼の洋燈(ランプ)
昔の絵の中に薔薇の花
僕は ひとりで
夜(よる)が広がる
(詩集「日曜日」より)
唄 立原道造
林檎の木に 赤い実の
熟れているのを 私は見た
高い高い空に 鳶(とび)が飛び
雲がながれるのを 私は見た
太陽が 樹木のあいだをてらしていた
そして 林の中で 一日中
私は うたをうたつていた
((ああ 私は生きられる
私は生きられる・・・・・・
私は よい時をえらんだ))
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中学2年の時、母に「白凰社 立原道造詩集」を渡されました。堀辰雄とともに若い頃に好きだったそうです。(堀辰雄の小説ももらいました。)中学生の吸収力はすごいもので、さらさらページをめくるうちに私の内部に立原道造のエキスが染み込んでしまいました。好きか嫌いか、という以前の問題みたいです。w(゜o゜)w.