ある日の夕方、一人でお留守番をしていた時
家の電話が鳴った
受話器から聞こえてきたのは母の声だった
『みかんちゃん?お母さん。……元気にしてる?』
嬉しさと悲しさと寂しさとで胸がいっぱいになり涙が溢れた
「お母さん、どこにいるの…?」
『今〇〇県で働いてるよ。…また、電話するからね。』
いつもの優しい母だった
短い会話だったけど、母の声を聞けてとても嬉しかった
父も不器用なりに私を可愛がってくれた
料理も元々得意だったのでパンダやチューリップなど可愛い巻き寿司を作ってくれたのが今でも忘れられない
優しい父も大好きで、私にとって唯一の存在だったので、死んでしまったらどうしよう、と毎晩父の寝息を確かめたりしていた
そして
子供ながらにお金が無いというのを徐々に感じ始めていた
毎日のように来るスーツを着たおじさんやお兄さん
家には私だけ
父の帰宅までテレビを観たり、スーパーファミコンをしたりしていたが、なんとも言えない寂しさがあった
ある日突然電気が付かなくなった
照明の故障かと思い家中の照明や電化製品をつけてみるが点かない……
外で月の光の下、父の帰りを待つしかなかった…