「日本は湿気が多くてダメねー。」

その不快な空気さえ懐かしかったが、久しぶりの地球はその姿を大きく変えていた。

長く激しい戦火の爪痕がいたる所に生々しく刻まれており、

人々に笑顔は無かった。

これが勝利した星の姿だろうか。

地球はもう駄目かもしれない、トモコは思った。

今どこかに攻め込まれたら簡単に壊滅させられてしまう。

「私のせいだ.......」

三年前、地球連合とスペース連合が平和条約を結んだ際、彼女は結婚した。

相手の男はスペース連合側の地球人ミヤワッキー。

両間の友好のため、そしてトモコを愛している。

彼は言ったが、態の良い人質だろう。

形だけの結婚だった。

平和のためとはいえ、自分の心までは偽れない。

遠き地球のカワウッチーを想い、彼には手すら握らせなかった。

トモコは毎日、淋しげに空を眺めていた。

その姿は日に日に痩せていった。

そんなある日、一人の男が彼女を連れ出してくれた。

今度の戦いでスペース連合の爆撃機と攻撃機のほとんどを撃ち落としたヒロアキックス。

遺伝子操作された彼はIQ200の頭脳、強靭な肉体、そして優れた運動能力を持っていた。

過酷な環境にも対応出来る抵抗力も高い最強の戦士。

だが決して不死身ではない。

「ぐへっドクロ

ヒロアキックスは何のために戦うのだろう。



つづく



次はミヤワッキー......じゃなくてわたる!

続きよろしく、ほなな!