斜め前の人の音漏れが半端ない。
ずっとテクノが普通に流れてる感じ。
いやだなー…と思いながら遮断するために自分もイヤホンで音楽を聞き始める。
友達とLINEで会話しながら次の駅に着く頃…
あれ?・・・・・・そう、ようやく気づいた。
音楽をスタートさせてるのにイヤホンから流れてこない…
∑(゜Д゜)
元が挿さってない!
やばい!
音漏れどころじゃない!
流してた。自信満々に流してた!満員電車で自信満々に流してた!
たどる。イヤホンの元をたどる。焦りつつもイヤホンの元を辿る。
お弁当を落とす。焦り過ぎてお弁当を落とす。満員電車で焦りつつもお弁当拾う。
刺す。傘で刺す。満員電車でお弁当を拾いながら傘で後ろの人を刺す。しかも濡れてる。
謝る。振り返って謝る。満員電車で勢いよく振り返って謝る。
周囲の人を鞭打ちにする。ポニーテールが鞭化する。満員電車でポニーテールが人々を乱れ打ちしている。
その間もただただ音楽は満員電車で自信満々に流れてる。
その時
駅に着いた。
満員電車の人々は狭い出口からまるで零れ落ちるかのように次々と飛び出す。
そんな人々の流れは無情にも私とイヤホンの元を引き離す。
流れに飲まれながらも必死に元をたどる私。
ようやくイヤホンの元にたどり着いた。
その時
曲が終わった。
強く生きよう。きっと周りの人もこの曲を聴いてそう思っていたはず。
そう・・・
「上を向いて歩こう」
・・・・・
上は見上げなかったよ。だって零れ落ちたのは涙じゃない・・・大量の冷や汗だったかったから。
今朝、その車両に乗ってた方。
すみませんでした。