SIGMA「fp」価格.com レビュー記事 「使い込んで自分流に育てるカメラ」

スチルのみの使用です。
レンズは45mm f2.8と35mm f2.0

【フルサイズミラーレス機の魔力】
僕はこの10年OLYMPUSのマイクロフォーサーズ・FUJIFILMのAPSCに始まり、Nikon(1台)・Sony(5台)・Canon(4台)のフルサイズミラーレス機を所有してきました。
スモールセンサーからフルサイズ機のカメラを持つと、堅牢性もありそれだけで魅力的な画像が撮れるように思え、実際吐き出される画像はどれも惚れ惚れするような画像ばかりでした。
フルサイズ機の魔力にやられていましたね。

【御三家のスペック競争】
しかし常にレンズに関して不満を持っていました。
特にNikon・Canonはどれも大きく重く高性能で高価格・・・
スペック競争のような高性能高価格のレンズ群になっていて、「50万や100万円のレンズを何本も発売して誰が買うのだ」「肩に担ぐレンズを使って楽しいか」など不満ばかりでした。
昨年新発売のカメラは更に性能・価格も上がりまるでスペック競争のようなありさまです。
御三家は世界のプロに目を向けているのでスペック競争もわかるような気がしますが、庶民からは遠い存在になったように思えます。
ここへ来てNikon・CanonはAPSC機に力を入れ始めましたが、入門機としてのお誘いで「この先はフルサイズ機へどうぞ」とのお誘いです。
レンズも少なく「群」にはならないでしょう。

【高性能すぎて何も楽しくない】
近年はCanon 「EOS R」「EOS R6」をメイン機としていましたが高性能で思った通りに撮れます。
手ぶれ補正機能は強力で高感度耐性も強力になりました。
「もうこれ以上何が必要?」と言ったところまで来ていて、満腹過ぎて動けません、食べれません。
 撮っていて楽しくないのです。




【SIGMAのフォビオンセンサーへのこだわりがいい】
「dpMerrill」「dp1.2Quattro」「SD Quattro」を持っていますがクセが強いです。
ないものだらけですが楽しいカメラだから面白い。
不満の多くは「フォビオンセンサー」が原因で、「ベイヤーセンサー」に変更すれば解決するのでしょうが、この「フォビオンセンサー」(SIGMAしか製造していない)にこだわるSIGMAの社風が潔いです。
ないものが沢山あり所有者が「コントロールしないといい写りをしないカメラ」で御三家の高性能カメラとは真逆のカメラです。

【SIGMA応援で買った「fp」】
フォビオンセンサーにこだわりを持つSIGMA応援のため、発売から2年ほど経ちますがレンズセットを新品で購入(SIGMA機は応援のため可能な限り新品を買いたい)。

【パーツにもこだわりがあり所有感が満たされる】
約400gですが金属の固まり感でずしりと重い。
表面のマッドブラックの金属仕上げは汚れも付きにくく肌触りもよくシックな感じ。
驚くのが各パーツの材質やクリック感がいいこと。
ストラップを付ける金具の美しさと高級感。
バッテリーケース開閉は普通スライドだが金具を持ち上げ回転するタイプ。
1動作加わるがこの金具も妙にいい。
AEL・QS・MENUボタンが縦に並ぶ面に傾斜がつけてあるので、親指でスムーズにボタンを押しやすい。

【SIGMAらしくないものだらけ】
・手ぶれ補正機能がない
・ファインダーがない
・ダブルスロットがない
・液晶画面はチルトもバリアングルもない
・メカシャッターがない
・電源オンからの起動も遅い

【「fp」にあるもの】
・軽量コンパクトな本体とレンズ
・優れたデザイン
・使い込むと撮れるいい画像
・使い込むことで1つずつ加わる魅力

【やはりほしいファインダーかチルト液晶】
背面液晶画面は晴れた日でもまあまあ使えるのですが、それでもやはりほしいファインダーかチルト液晶。
チルト式の純正電子ビューファインダーも追加販売になりましたが、軽量コンパクトが損なわれるので購入予定はありません。
性能はいいでしょうが「勘弁してください」の大きさで不格好になります。
「dpMerrill」に付けていた純正光学ファィンダー(写真参照)を両面テープで付けてみました。
画角は28mmですが35mmレンズを付けるとほぼ同じ画角の感じで撮れます。

 

【困ったこと】
僕は室内撮影がメインなので場所により光源が異なります。
ホワイトバランスはAUTOや白色蛍光灯などで今のカメラは大体うまくいきますが、「fp」はホワイトバランス調整が難しかったです。
まだまだいろいろ試している段階です。
また、背面の後ダイヤルの「上」クリックが初期設定で「FOCUS」になっており、知らぬ間に押したのでしょう、フォーカスが効かなくてびっくりしたことがありました。
AFからMFになっていました。
今は「ISO」を割り当てていますので安心できます。
    
【まとめ】
まあクセ固まりといったカメラです。
純正グリップはデザインも良く、先端を指に引っかけてぶら下げて持ち運べるので使用勝手がとてもいいです。
バッテリー(dp1.2Quattroと共有も面白い、バッテリーも安い)はこのカメラですから小さいのも仕方ありません。
それでも300~400枚は撮れます。
クセの固まりですが使い込んで自分流に育てていくカメラですね。
満足のSIGMAカメラです。