はいほ~

40代、めっさ昭和、母子家庭歴19年、パート社員から開始…現在はぼっろぼろの家で猫との2人暮らししながら

株式会社 いいねいいねドットコム 

の社長ってのしてる、BOSSっすニヒヒ 


今宵は今宵は今宵は~…

久々「都会」迄出て…(笑)

うめぇ~うめぇ~もの、頂いておりやした!が~…←だから言葉悪いです真顔


猪突猛進…ってよく言うじゃん??←そして又なんですか真顔


あぁいうの、憧れちゃう。

見てても気持ち良いし。

本人やったって迷い無くて気持ちええやろなーって思うぅチュー


むこうみず位がかっちょえぇ。

なーんて染々…何の話や笑い泣き←本当です真顔


大阪は…いよいよ「この時期の大阪」してましたぁ~おいで



・・・・・

結婚8年目に再び訪れた夫婦の危機。
それが夫婦の行き止まりとなったとしても、息子どんと自分は前を歩いて行かなくては…その想いのおかげで
面接結果不採用の連絡後もあたしは、途方に暮れる事無く次の仕事探しに動いた。(…離婚へ~はい、次…)

ドアを開けると、カウンターの後ろに20席…いや、30席程の事務所が一望できた。

電話イメージとのあまりの相違に更に緊張したが、すまして挨拶すると、指示された通りカウンター前の椅子にかけて待つ。

案内してくれた若そうな女性がつい何時間前に「つよかわ」なるおじさまに繋いでくれた事務員さんだろう。

「あぁぁぁ、どうもどうも。」
と威勢良く登場するはずのつよかわ氏は見当たらない。

「お待たせしています。申し訳ありません、もうしばらくお待ちください。」
しばらくすると、そう声をかけられお茶が出された。

さっきの事務員さんとは又別の、一目でしゃきしゃきしている人だろうと憶測させる事務員さんだ。

ひき続きなかなか現れないつよかわ氏を待っている間に、目の前を又別の事務員さんらしきが通った。

何人おるねーん。
父ちゃん、母ちゃん、事務員さん…じゃないのかーっい。

事務所内をキョロキョロ見渡すのも失礼なので、背筋を伸ばしたままやや下向きの一点を見つめていたあたしだったが、チラリと事務所奥に目を向けた。

あたしの角度からは事務所の斜め半分しか見えないのだが、
黒いスーツを来た男性が慌ただしく書類を印刷している様子が見える。

その向こうにまさしく現場監督さん風な出で立ちをした男性が2人何やら話をしている。

1、2、3…。
あれっ…3人もいる。
つよかわのおっちゃん入れたら4人もいるやん。 

そんな事をぼんやり考えていると
すぐ後ろでドアが開いた気配がした。そして話をしながら複数人の男性が入ってくる様子も感じる。

「おかえりなさーい。」
カウンター向こうからさっきお茶を出してくれた事務員さんが声をかける。

入り口から今あたしがいる場所は、死角になっていて見え無い為、
おかえりなさい、の言葉から察するにどこぞから「帰ってきた」らしき人物からはあたしは見え無いし、

後ろを振り返ってのぞきこむ事できないあたしからもその主は見え無い。

が、「帰ってきた」らしい様子から憶測するに、つよかわ氏だろう。
あたしは構えた。

一旦あたしのいる位置とは別の方向に入っていった様子の面々は、
しばらくすると賑やかに話をしながら又玄関口迄戻ってくると、
そのままカウンター前を通りすぎ様としてやっとあたしの存在に気づいた。

「おっ、お客様。
これは失礼しましたー。」

おっちゃん1。

あたしの方を向いて立ち止まったままのその人の後ろから
軽く会釈だけをして通りすぎて行く男性。

若者1。

「失礼。」
小さく発しながら同じく通りすぎて行く男性。

おっちゃん2。

おーっい、
なんぼ程いるんやぁ~。

「お嬢さん、どなたかお待ち?」
あたしの前で立ち止まったままのいかにも陽気でがさつそうなおっちゃん1が話しかけてきた。

つ、つよかわさんっっ?!

構えたあたしに、
「ひじたさん!面接の方なんですー。
ちょっと待って頂いてるの!」
さっきの事務員さんが代わりに応えてくれた。

「あーっ。面接…
頑張ってや、又会いましょー。」

ひじたさんと呼ばれたその男性はそう言うと事務所奥に向かって行った。

つよかわ氏、ちゃうかったんかーっい!

会釈をして見送りながら、1人考えていたあたしの元にいつの間にか別の男性が近づいて来ていたらしく、

「お待たせしました。こちらに…。」
と声をかけられた。

グレーのスーツを着た少しがっちりした体格のその男性は
遅くなった事を申し訳なく思ってくれているのか、肩をすぼめ、やや屈み気味の状態であたしを見ていた。

どう見ても30代位にしか見えないその男性に案内され移動した場所は応接室だった。

10人、つめれば15人入れそうな応接室に、当時は全く珍しかったノートパソコンが1台と何やら用紙が置かれいる。

その前に座る様にとの指示に従いクッションが深めのソファに腰かける。

あたしの真向かいに座ったその男性は、
簡単に自己紹介をし、
今回の募集はOA事務員募集である事、その部署担当が自分であるので、
今日の面接は自分が担当する事、を伝えた。

午前中連絡を入れた際の印象と随分異なる面接になる様だ。

つ、つよかわのおっちゃーっん!!

あたしは泣きたい気持ちをこらえ、
よろしくお願いします、と応える。

そこから30分程度、この間の会計士事務所さん同様、一般的によくある様な面談が開始され、勿論幼い子供への質問は漏れなくついてくるのだが、

息子どんの健康状態、保育園の条件、当然体調を崩した際の対応予定、と前回の会計士事務所さん以上に手厳しい。

会計士事務所さんでの終始和やかに過ごせた面談時も、唯一息子どんに纏わる話では1つ1つ確認する様な厳しい様子を感じたのだが、それとは比にならない。

あたしは、実家がこちらからすぐ近くである事を伝え、何かしらの際にはサポートしてもらえると予定外の返事をした。

それでも、ハローワーク求人票には
平日9時17時のみの勤務とうたわれており、土曜は隔週出勤(応相談)会社自体が
日曜は休み、となっていたにも関わらず、

土曜出勤の場合はどうする、日曜に急な仕事が入った際はどうする、と詰め寄られ、
更には仕事がつまってる時期に急に休みを取り兼ねない「子育て世代」は採用しづらい事、
今いる事務員さんのうち1人が幼い子供を抱えており少なからずの支障があり困っている事、
今更仕方ないので、そのサポートができる様な人材を求めている事、等の話が続いた。

こりゃ、ダメだな…。

一通り話終えると、置いてあったパソコンでの作業を指示されたのだが、

これが又なかなかのレベルである事に驚く。
まだまだパソコン普及率低い当時に、
Excelでの関数使用にマクロについて、
ワードでのタイピングスピード…。

彼の前職が富◯通で、それを見込まれてこちらでの再就職だった事、
ゆえ当時珍しかったあたしの資格も理解していたからこその確認であった事、等知るよしも無かったこの時はただただ驚いたのだった。

一通りの面接を終え彼は一旦中座した。

はぁぁぁぁ。
世の中って厳しい。
はぁぁぁぁ。
はぁぁぁぁ。
はぁぁぁぁ。

あたしはすっかり落ち込んでいた。

風があっちに吹くのかこっちに吹くのか気になっていたが、
どうやらどっちにも吹きそうに無い。

はぁぁぁぁ。

そんな事を考えていると、ドアがノックされ、もはや敵にしか見えないさっきの担当者が戻ってきた。

そして言った。

「弊社としては採用決定です。いつから来れそうですか。」

えーっ
えーーーーーっっ
えーーーーーーーっっっ

か、風は吹いた。
風は「こっち」に吹いた。

神様は…
都合の良い時しかイメージしない神様は、あたしにこちらの道を案内してくれたのだ。