大叔父の形見 | かたばみ日記

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 好きなものは野辺の草花、古い音楽、二匹の老猫、温かい紅茶と読書の時間。息子は大学生、娘は小学生です。




去年9月、91歳のジョン•ウィリアムズに
名前を呼ばれ、舞台に上がった姿を見て
ああ、とは思っていたけど
とうとう小澤征爾さんが旅立った。




私の大叔父が松本で
サイトウキネンに関わっていたので
よく「チケット取ってやろうか?」と
電話がかかってきた。
今では伝説のような珠玉のコンサートも
その頃の私には「こんなに育児に髪振り乱して
いるのに、それどころじゃないでしょ!」
って感じだった。
音楽からかけ離れた自分が
情けなくて悲しかったってのもある。




私を孫のように可愛がってくれた
その大叔父も、娘が退院した日に亡くなり
信州の古い家も売りに出され
結局、夏のコンサートへは
行かずじまいになった。





あの時は私だって一生懸命だった。
後悔なんてしていない。
だけど絶対、いつかは
みんな死んじゃうんだもの。
私だっていつの間にかこんな歳に
なっちゃって……。
会いたい人には会い
聴きたいコンサートには行き
弾きたい曲は弾かなくちゃ。









暮れの大掃除で
ひょっこり出てきた
大叔父の形見。

SAITO KINEN FESTIVAL
MATSUMOTO