今年の秋から数年かけて大学の仲間3人でネパールを歩くことを計画している。そろそろ今年の計画の詳細を詰めなければならない時期に来ている。
計画だけでなく、体力づくりもお互いの歩調を合わせながら準備していかないといけない。そんな中、海の日3連休で沢から3000mの千丈岳まで登る計画が持ち上がり、野呂川の小仙丈沢から行くこととなった。
パーティの今の実力を考えると2級レベルの沢で十分な難度であろう。私自身も去年から大した山にも行ってないし、体力も万全とは言えないので、沢の経験の乏しい2人と同行するとなれば適当なレベルの沢であったかもしれない。1人が都合で行けなくなり、もう1人の先輩Sさんと2人の山行となったが、ガイドをする立場になった私自身もプレッシャーを感じず、のんびりと余裕を持った形で山に入れた。
初日に私が先行して入山し、野呂川で釣りを楽しむという付録もつけた。もっとも実際本流に入ってみると釣り人が多くて、すれたヤマトイワナはなかなか姿を見せてくれなかった。それでも、梅雨の合間の天気にも恵まれ、のんびり気持ちの良い釣りができた。
先輩のSさんとは大学時代からの山仲間なのだが、なんと2人だけの山行は今回が初めて。しかも沢へは一緒に行ったこともない間柄だ。荷物を背負って滝を登る経験もなく、フエルト底の沢靴も今回初めて履いたということで、沢に入ってみると、まさに初心者並みの登り。失礼を承知で言うと足どりも足腰の弱った老人のよう。案の定余計な体力を使ったためか2日目にはバテてしまう有様。齢をとるとここまでのレベルになってしまうのかと唖然としてしまった。歳は3歳ほどしか変わらないので、自分もこんな風にならないよう精進しないといけないなどと逆に私自身が気を引き締められる体験となった。
現役の頃はリーダーを務め、いつも余裕しゃくしゃくだったイメージがあったんだけどなあと思いながら、少し寂しい気持ちにもさせられた。でも、そんなネガティブな話だけでなく、先週も別の山岳部仲間と飲んで昔話に花を咲かせたように、40年以上も付き合いのある仲間と旧交を温める機会が持てることに感謝したい。いつまでもこういう機会が続くことを望みながら、そのまま縦走を続けるSさんと稜線で握手を交わし、登山客で賑わう北沢峠へと一人先を急いだ。