家の中では3人きょうだいの長女として君臨していたジュンヌだが、

一歩外へ出ると借りてきた猫以上に何もできなくなり、

ただ下を向いて貝のように口を閉ざしていた。

 

 

小学校に行くようになっても大勢の仲間に入る事ができず、

一人ぼっちでいることが多かった。

 

 

特に女の子たちの好きな皆で一緒に行動するという行為が苦手。

 

「トイレに行きたかったら一人で行けばいいのに、

なんでみんなと一緒に行かなくっちゃいけない?」

と、大人ぶっていた。

 

 

「友達なんか、いなくったっていい!」

「自分は人と違う!」

「人と同じことは嫌い!」

 

 

子供ながらに人と違う特別な人間なんだと思い込むことで、

自分の立ち位置を保っていたのかもしれない。

 

 

幸い父の影響で絵を描くことが好きだったジュンヌの絵は、

よく廊下や教室に貼り出された。

 

それだけがただ一つの優越感だった。

 

 

言葉でのコミュニケーションを諦めたジュンヌは、

人と違うことをすることで目立つという

自己表現の方法を見出していった。

 

 

そんなジュンヌは、

美しいものが大好きで

バレーリーナに憧れていた。

 

 

しかし、

群馬の片田舎にバレー教室もあるはずもなく、

つま先立ちして踊る真似することで

バレーリーナになった気分を味わっていた。

 

 

漫画で見るバレーリーナのチュチュ姿に憧れ、

なんとしてもチュチュをつけてみたかった。

 

そう思ったらやることは唯一つ。

 

  

いつもの泣き落とし作戦で、

ついにスカートの中に履くチュチュをGetした。

 

 

喜び勇んではいてはみたものの、

スカートに隠れてチュチュが見えない!

こんなはずでは・・・( 一一)

 

 

なんとかして人に見せたい!

「どうしたら見せられる?」

いろいろ思案を巡らせた・・・

 

 

「そうだ!」

名案が浮かんだジュンヌは走りだした。

 

 

なんと鉄棒で逆上がりをすることを思いついたのだった。

 

 

当然パンツ丸見え!

 

だが、

そこには恥ずかしさよりも

チュチュを見せられたことで

目的を果たせたご満悦なジュンヌがいた。

 

 

周りの反応がどうだったかは思い出せない。

 

単なる自己満足でしかなかったのかもしれない。

 

 

人にどう思われるかよりも

自分のやりたいことをやった満足感に浸る性格、

 

好奇心を満足させるために突っ走ってしまう性格の片鱗は

この頃からすでに現れていたのだった。