真夜中の2時を過ぎた頃、

突然激しくドアを叩く音がした。

 

「たすけてー!」

「死にそうなくらいお腹が痛い!!」

 

ドアの外にうずくまって苦しんでいる友がいた。

ジュンヌは突然の出来事でパニックに!

 

 

ここはノルマンディにあるカーン大学の学生寮の一室。

3週間の語学研修を受けるために来ていた。

 

 

 

 

 

3週間前、

2人は初めてのヨーロッパ旅行に

不安と期待を胸に成田空港から

ロンドン・ヒースロー空港に向かった。

 

 

 

ヒースロー空港が近づくと

ぽつぽつと豆電球のような灯りと

煙をたなびかせた煙突が目に入った。

 

 

想像していた都会の密集した明かりではなく、

どこか郷愁を誘う風景に心が温かくなった。

 

初めて見た外国の風景に

“胸キュン”になりながら

外国の地に一歩を踏み入れた感激をかみしめていた。

 

 

好印象だったロンドンだったが・・・

 

「なんか食事が美味しくないね」

「イギリス人は味覚音痴なのかしら?」と、

勝手なことを言いながら過ごし、

 

ドーバー海峡を船で渡って

フランスのノルマンディに入った。

 

 

そしてカーン大学での3週間の語学研修。

 

いろんな国の人たちが参加していて

リクレーションでモンサンミッシェルにピクニック行ったり、

パーティーなどの交流会も開かれた。

 

 

新しい友達もできて

楽しい日々を送っていた矢先の出来事だった。

 

 

 

友達が苦しんでいる姿を目の当たりにして

どうして良いかわからず、

他の人を起こしてフランス人の担当者の部屋を探した。

 

 

やっと見つかり、

救急車の手配をしてもらったが、

夜中には来てくれず、

朝方になってやっとサイレンを鳴らしながらやってきた。

 

 

その間友達が真っ青になって脂汗をかきながら

苦しんでいる姿を見ているのが辛かった。

 

ジュンヌが誘ってやってきたフランスで、

もし万が一のことがあったら生きていられない・・・

近くの教会へ行って必死で祈った。

 

 

翌日、

病院に行って目にしたものは

枕元に置かれた一升瓶クラスの水の入った瓶2本。

 

 

「この瓶は何?」

「なんかこの水を飲めと言うのよ!」

 

 

友達は顔色も戻っていて

激しい痛みも落ち着いたようだった。

 

病名は“胆石”で、

どうも水で流し出すということらしい。

 

思わず笑ってしまった。

 

 

幸い友達は大事に至らず退院してきた。

痛みはなくなったもののこの先が不安だったため、

一足先に帰国することになった。

 

 

突然の出来事で

一人になってしまったジュンヌは、

ヨーロッパ一人旅になる覚悟をしなくてはならなかった。

 

 

この先も大変なことが待っていようとは知らずに・・・!