第4章:自立への道
アパレルメーカーのファッションデザイナーを辞めた後も
パリと東京のデュアルライフは続いていた。
会社という組織を離れて最初に足を踏み入れたのは、
MLM(マルチレベルマーケティング)
別名、ネットワークビジネスだった。
最初は楽しかった。
情熱を持って商品の良さを語ることで、
たくさんの友達や知人が20~40万円する商品を
購入してくれた。
なんだか、自分には販売の才能があるのでは・・・と
自画自賛していた。
しかし、そこから先が問題だった。
購入してくれた人が同じ様にビジネスをしてくれない限り、
永遠に売り続けなくてはならないことになる。
友達や知人は、商品を購入はしてくれたものの
仕事としての興味を示さなかった。
面識のない人にも販売していかなくてはならないと思った時、
まず、デザイナーというプライドを捨て、
なんでもやってみようと決めた。
どんなこともやってみなければ力がつかないと考え、
気持ちを切り替えて電話をかけたり、
訪問販売もやってみた。
しかし、
だんだんと自分の中で葛藤が起きて来た。
本当の喜びを感じていない自分に気づいた。
限界を感じて他の仕事を探すも、
周りには同じような仲間が多く、
職種の違うMLMに誘われ、いろいろやってはみたが・・・
商品の良さは解るが、
自分が生涯をかけてやりたい仕事なのかと自らに問うと
「NO!」と心の声が聞こえた。
MLMは、それに喜びを感じる人にとっては、
専門知識がなくても高収入を得られるシステムだと思うが、
ジュンヌの場合、ピラミッド型の組織を
作っていくことが苦痛になっていた。
MLMから足を洗うことに決めた。
そして、今までやったことのない派遣店員をやってみようと思った。
しかし、甘くはなかった。
ファッションデザイナーをやっていたからと言って、
すぐに洋服の販売をやらせてはもらえず、
スーパーなどの食品売り場に派遣された。
豆乳を売りや、厚焼き玉子の試食販売など、
現場の仕事についたが、
これが、思っていたより楽しかった。
そのうち洋服売り場にも立たせてもらえるようになったが、
洋服売り場だけに自分の美意識が邪魔をしてしまい、
「こんな服、誰が着るの?」
「こんな商品を売れというの?」
またしても自分の中で葛藤が起きてきた。
しかし売上を作らなければ、
派遣の仕事を続けられない。
気持ちを切り替えることにした。
「自分の基準が全てではない!」
「世の中にはいろんな趣向の人がいる」
「私が好きじゃないものも好きな人は必ずいるはず!」
「そうだ、この商品を欲しいと思う人を引き寄せればいいんだ!」
それからは、どんなことも視点を変えて
この服を好きな人が必ず来てくれると信じて売り場に立った。
不思議なもので自分が信じることで、
お客様が増えてきた。
メーカーからリピートがかかるようになった。
その後
大手デパートの派遣会社に席を置くことになり、
デパート内の催事や色んなイベントに使っていただけるようになった。
そこから運命が大きく変わりだした・・・
次回に続く。
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第3章:パリ&東京デュアルライフ
第3章-7 パリコレの舞台裏・デザイナーが投げかけた一言【なぜそんなに働くの?!】
第3章-8 パリのおまわりさんとマルセイユへ【TGVでの衝撃体験】
第3章-10 パリ⇒トルコツアー【集合はイスタンブール!?】
第3章-11 【20年のパリ・東京デュアルライフに終止符!】
