「オペラ座の舞台裏を見学させてもらうことになったので、

日程のアポ取りと通訳をお願いできないでしょうか?」

某大学の教授から突然の依頼があった。

 

 

卒業生であり

劇団四季の仕事をしていた親戚の子を通して

話が来たのだが、

 

当時、まだフランス語の日常会話もおぼつかない状態の

ジュンヌにとって通訳なんて考えてみたこともなかった。

 

 

ところが、

なんと、

その依頼を受けてしまったのだ!

 

 

その時、

ジュンヌの頭の中は

「えっ!オペラ座の舞台裏が見られるの?!」

「こんなチャンスは2度とないかもしれない!」

この思いだけだった。

 

 

フランスができないことは頭から抜けていた。

 

 

我に返って

「フランス語どうしよう」

いまさらできないなんて言えないし・・・

舞台裏も見たいし・・・

 

 

なんとかするしかない!

とにかく準備だけはやろう。

 

 

 

舞台用語を調べ、

質問される内容を予想して文にしてみた。

 

しかし、質問はなんとかできたとしても

フランス人からの説明が解らなかったらどうしよう・・・

 

考えだしたらキリがない。

 

 

 

考えることはやめることにした。

「成るように成る!」

 

居直るしかなかった。

 

 

 

当日、

オペラ座の前に教授一行がやってきた。

まな板の鯉状態のジュンヌ!

 

 

教授と卒業生、

そして卒業生のカメラマンの従姉妹さんも一緒だった。

 

 

この従姉妹さんが、

ジュンヌに幸運をもたらしてくれた!

 

 

なんと、

パリ在住でフランス語はもちろんできる!

 

 

まさかの展開に

緊張が一気に喜びに変わった。

 

 

通用門から中に入り、

担当の照明係のシェフであるフランソワに紹介した。

 

 

 

現在はバスチーユ・オペラが中心になっていて、

装置もすべてコンピューターで動かしているが、

 

当時のオペラ座は、

すべて手動で、

地下には大きな糸巻き機のようなものがあった。

 

 

 

 

オペラ座の怪人に出てくる

地下に湖はあるのだろうか?

 

 

 

なんとあったのです!

 

 

消火用ではあるが、

3メートルの深さの水池が

現在はフタがしてあり、

3年に1度船を出して掃除をするのだという。

ほんとうに驚いた。

 

 

その先のオペラ座の広場の下は、

洞窟のようになっていて、

戦争中に食料を備蓄したのだという。

 

 

オペラ座の地下の知られざる探検は

ジュンヌの好奇心をワクワクさせた。

 

 

舞台に戻り、

次の公演のための作業が行われていた。

 

 

なんとトラックが乗れるエレベーターが有り、

トラックごと乗って機材を運ぶのだという。

 

 

すべてのことが驚きの中、

フランソワは、「屋根に登りましょう!」と言った。

 

 

隙間だらけの舞台の天井の板場を通り抜け、

屋根に出た。

 

 

パリが一望できる屋根の上に出た時は、

なんとも言い難い感動でいっぱいになった。

 

 

 

 

それにしても

ハイヒールで登ったのはジュンヌくらいだろう。

 

 

遠くから見ていたオペラ座のシンボルの像が目の間にある。

そして、車や人々を見下ろした時、

「好奇心のまま行動してよかったね!」と

自分自身を褒めてやりたくなった。

 

 

帰りがけに

フランソワから

「また見学したかったら、僕に連絡してね」

と言われてとても嬉しかった。

 

 

その後、

もう一度見学させていただくことになった。

 

 

 

 

すべての出来事、

関わってくれたすべての人たち

そして、

自分の好奇心を信じたジュンヌに

感謝でいっぱいだった♥